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自分を捨てるなということさ
与えられた任務をただ果たすだけの男にはなるなよ
出典:ロードス島戦記 キャラ:パーン
パーンがフレイムの騎士見習いスパークに稽古をつけた際、『功をあせり、自らの任務を放棄した件について、そのような事は2度としない』と誓うスパークに対しての言葉。
パーンは、任務よりも守るべきもっと大事なものが出来たときは、任務に縛られることはなく、その大事なものを守ればよい、と言いたかったのであった。
和製ファンタジーで、この作品を超えるものには今だお目にかかったことがない。一巻では「若気の至り」そのもののパーンが、最後の方では後輩に向かって人生経験を語っている。ほかの小説でも「英雄」の描写を、こうやって順を追っていってもらうと、もっと納得がいくのになあ……。
「スコッチを」
「領収書を」
出典:LAWMAN/JETSCOMICS(白泉社)/伊藤明弘/19P
キャラ:ブレンダ・ガランド&入江省三
ネタは三沢まりのさんの掲示板への書き込みによるものです。いやー持つべきものはみなさまの書き込みです、ありがたいことです。
LAWMANは……はて、説明したことはあったかな? 伊藤明弘さんお得意のB級アクション満載、美女満載(笑)、謎の公務員入江省三の活躍するコミックです。ストーリーは分かるようで、実は謎だらけですが、大蔵省特殊査察部執行官である入江が、一応悪を倒す話です。でも、やっぱり読んでみないとすごさがわからないのです、この方の描くお話は。
台詞の登場シーンは、ショットバー?で、ブレンダと入江が話しているところ。愚痴などこぼしつつ、ブレンダがスコッチを注文すると、絶妙な合いの手で、入江が領収書を請求するわけです。
自分のお金は一銭も出す気がない、いかにも公務員的な態度が楽しいのはもちろんですが、片やスコッチ、片や領収書、という対比がうまいですよ、これ。
曰く
彼の行動を妨げてはならない 彼の行動を理解しようとしてはならない
出典:LAWMAN&ジオブリーダーズ/?/伊藤明弘/いろいろ
キャラ:?
わが座右の書のひとつ、ジオブリから。今回のは台詞……というよりは格言みたいなものかな?
LAWMANとジオブリーダーズの両作品に登場する入江省三は、政府の役人ではありますがその任務内容・目的や経歴などが一切不明のめちゃくちゃ怪しい人物です。しかし、彼と仕事上で関わりを持つ人間は上の鉄則を守って、彼には深入りしてはいけないとされているのです。
実際うかつに深くかかわると、あの世に行く羽目になったり、不幸になったり……。
うーん、謎めいてます。こういう怪しさ爆発なのは大変「好み」です。
必要ないわ 覚えとくから
出典:LAWMAN/白泉社JETSコミックス/伊藤明弘/36P
キャラ:ブレンダ・ガランド
「lLAWMAN」は、割に最近紹介してますが、ようはなに考えてるのか不明な大蔵省の役人・入江省三が、気ままに銃を撃ちまくる話……違うかも(笑)。一応は正義の味方っぽい役どころなんですが、仕事振りに妙に役人ぽいところがあったりするのがいい味を出してます。
ちなみにLAWMANで主役をはった入江は、「ジオブリーダーズ」にも登場していますが、こちらの入江はかなり悪役?な役どころで、ずいぶん印象が違います。
「ジオブリーダーズは読んだけど、こちらはまだ目を通してない」と言う方はぜひ読んでおいてください。入江の原点はこの漫画からなのです。まいじゃーであると断言しておきます。
さて本日の名台詞は、詳細すっ飛ばして、入江がブレンダを救う結果となり、その後2人が別れるシーンでのこと。入江は、1枚の名刺を差し出し、困ったことがあったらこちらに連絡するように、と言うのですがブレンダは名刺をその場で破ってしまいます。
さすがにちょっと驚く入江に対しての台詞です。「私は名刺などなくても、あなたのことはいつまでも覚えているわ」という好意の表れでしょう。んー、かっこいい女性ってのはこういうのを言うのかな? 惚れちゃいますね(笑)
警官がね 善人で居続けるってすごくむずかしいことなの
わかる?
出典:LAWMAN/JETS COMICS(白泉社)/伊藤明弘/58P
キャラ:橘育美
【直営サイト】なし
伊藤さんファンサイトとしては、公認・綾金観光協会で決まり。
「LAWMAN」は、大蔵省の役人、入江省三が悪人を成敗する?アクションコミックです。
役人根性丸出しながらもやるときは一応やる入江。たいへん癖のある彼が主役のお話です。銃撃シーンやその他いろいろのアクションシーンは必見。
なおここに登場する入江省三はジオブリーダーズの入江とは、性格が少し違っていて、どちらかと言うとこっちの方がいい人な気がします。
知名度がジオブリーダーズに比べると低いのですが、アクションシーンが大好きな方や、ジオブリーダーズにはまってしまった方にはぜひとも読んでいただきたい作品です。
本日の名台詞。
特にこの作品だからという台詞でもないんですが、まあいいかと思いつつ掲載してます。
橘警部補が、なぜ警官になったのかと聞かれ、直接返事せずこういう答えをよこしたのですねー。集団の正義とか、制服の魔力が人を変えていくんだ、と結論づけているのですが、これだけならありきたりの台詞。実際は、この台詞は後の展開の伏線になっているわけなのです。ま、それは本編を読んでねと言う事で。
とりあえずは救いがたい台詞だなあ、とでも思いつつ軽く流しといてください。(00/11/4)
ウェルカム世紀末ー!! さようなら聖飢魔Uー!!
出典:ローン・ウルフ キャラ:盛田丈太郎(モリ)
意味はないです、意味は。
あまりに語呂がよかったんでつい載せてしまいました(笑)
あんたってさ―――ドラマないよね
出典:ローンウルフ キャラ:ルミ
何がいいと申しましょうか。一億の借金を抱えつつもそんなふりは全然見せず、思いきり明るく前向き強烈に生きるふたり。
そんなはちゃめちゃストーリーを描いたのがローンウルフ。これの魅力と言われると、説明に困るんですが……とにかくテンポとか間のとり方とかが、絶妙なんだとしかいいようがないですね。
一度ご覧あれ。
台詞はいかさま賭博師のダイスが振られた時の台詞です。
「半年付き合って、顔はそこそこ話もおもしろい。だけど……」という理由でふられてしまうのです。
ドラマ!
たしかにドラマは必要かも。
結婚して生活していくのに、ドラマのある人間なんて胃に悪いだけですが、付き合って行く場合はジェットコースター的なスリルな日常が味わえることでしょう。
……私はごめんですが(笑)
今晩は 暴力がきたぜ
出典:ローンウルフ/少年画報社YKコミック/山田秋太郎/OURS2000年4月号246P
キャラ:加賀
「ローンウルフ」は基本的にはバカノリ系のお話。小さいときの悪行?がばれて1億円を国家に返済する羽目になった二人が主人公のドタバタギャグです。
ギャグなんですが、時々入るシリアス調の話にドキッとさせられたりするあたりに潜在力を感じますね。
さて、この台詞を吐いた加賀なる人物ですが……。
謎の人。 今の段階ではストーリー展開が読めないので、全く役回りが不明ですが、腕っぷしは強そうです。 その加賀が、主人公二人の家にいきなり押し入って吐いた一言。 かっこいいじゃん! 暴力がきたぜ、だって! うおーいかにも悪者って感じで萌えるっ!(笑)
黄金なんかにゃ興味はねえが 黄金をつかむ男ってのには少し興味がある
出典:ローンウルフ/YKコミックス/山田秋太郎/OURS2000年9月号275P
キャラ:モリ
【公式サイト】なし
うーん、探し方足りないのかファンサイトも専門はちょっと……。
念のための更新情報。一応前日も名台詞は更新されてます。もし見ていない方はどーぞ。
「ローンウルフ」は……うーん……説明不能(笑)。
「いちおう」筋書きとしては、モリとヒトミというふたりの男が、かつて子供のときの悪行による借金1億円を返すために奔走する話、なんですが……どう考えても違うよなあ。
第2部として、1億円を謎の人に肩代わりしてもらい、そのままにしては置けぬという二人の元に転がり込んだ「黄金伝説」を軸にストーリーが展開していくんですが、はっきり言えばストーリーはあってなきがごとし。
破天荒な、だけども気持ちのいい二人組の織りなす非常識アクションというのが比較的近い説明でしょうか。読まないとたぶん見どころを説明するのは難しいですね……。
それでは、本日の名台詞。
黄金伝説に関する話がちらっと出てきて、「町のどこかに黄金が眠ってると言われたらどうするか?」と質問されるわけです。
大して興味を示さないモリですが、もしあったら誰にも渡さないと言い切ります。その理由が上の台詞なんですね。
ここでたびたび掲げるロマンってやつですね、はい。「お宝は探すこと自体に意義がある」のです。(00/7/31)
「あんた左足かんせつ一個増えてるって!!」
出典:ローンウルフ/YKコミックス(少年画報社)/山田秋太郎/1巻82P
キャラ:モリ
【作者直営サイト】なし
【絵師直営サイト】なし
ファンサイトなら最強伝説にどうぞ。今のところ唯一の山田秋太郎ファンサイトです。ちなみに日本漫画学院で山田さんのインタビュー記事あり。他にもこのサイトにはたくさんの漫画家のインタビュー記事がリレー形式で毎月載ってますが、なかなか充実したインタビューなので一度は行くべし。
つい最近、「式神の城」というアーケード用のシューティングゲームが稼動開始しました。
「はーん? シューティング?」とか思うなかれ。あのガンパレードマーチを開発したアルファシステム謹製です。あしきゆめだの鬼だの世界観になーんかひっかかる単語がいっぱいです。かっこいいお兄さんとか、きりっとした巫女さん自らがプレイヤーとなって、式神を使役しながら敵と戦います。公式サイトはこちら。
ボス戦前後にデモがありますが、さすがといいますか芝居がかった台詞がいっぱいです。もしもシューティングを多少なりともプレイする方は、ぜひともやってみてください。移植されるかどうか不明の家庭用より、まずはゲーセンへGO! 巫女さん好きもGO(笑)
台詞も近々ぜひとも紹介したいですね。
へっぽこシューターからの一言でした。
さて、と。
「ローンウルフ」は、えーと……どう説明すりゃいいんだこれ(^^;
モリとヒトミの破天荒コンビが1億という多額の借金を返すためにあれこれするコメディ漫画、です一応は。借金を返すためにいろんなバイトとかに手を出したりするんですが、基本的にコメディなせいか借金の話はぼやけ気味です。ただし、単なるコメディだと思ったら大間違いで、まいじゃー資格を立派に持った良作でもあります。この辺のニュアンスは読んでみないとわかりにくいかもしれません。
この作品の特徴はやはり勢い!これに尽きるでしょう。強烈な押しの強さがあるので、ついつい読んでてペースに巻き込まれます。
勢いをつけたい時などにうってつけの作品です、ええ。
本日の台詞解説ですが、たぶんなんだかよくわからないかと。
つまりこういうことです。
とある登場人物が正体不明のものを思い切り蹴ったところ、予想外に固くて、気がつけば関節が一個増えていた……。さあ、どうなったかもうおわかりですね?
なかなか凝った言い回しだことで(笑) →bk1
(01/9/24)
我々は君と同じ、誇り高き宇宙飛行士として行動する。下の連中の指図などくそくらえだ
出典:ロケットガール キャラ:オレグ・カマーニン
ライトノベルスの中ではもっとも本格的なSFを書いている野尻抱介作品のひとつです。早い話、女子高生が宇宙飛行士になるというものなんですが、その辺の……例えば神坂一(別に彼の作品がつまんないと言ってるわけじゃないですよ)……あたりのSFとはレベルが全然違います。SF理論的にはハヤカワSFレベル。これぞSF!
さて、舞台の方なんですが、すったもんだしたあげくなんとか無事ロケットで打ち上げられた主人公ゆかり。そこまではよかったんですが、トラブル続きで、ロシアのミールに救助を求めることになります。
しかし、ロシア本国はミールも事故に遭うことをおそれて、救助に対し首を縦にふろうとしません。そこでゆかりは、直接ミールの船員に「ロシア人は女を見殺しにするのか?」と直談判に出るのです。
そこで返ってきた台詞です。
誇り高き宇宙飛行士!いいですねえ、もうこの響きにメロメロ(死語)です(笑)。
ほい、フレンチフードは気持ち悪かったねえ どれもつぶれた脳みそみたいだったよ
出典:私と月につきあって キャラ:森田マツリ
「私と月につきあって」は、まだ出たばかりの富士見ファンタジア文庫で、ロケットガールシリーズの新刊になります。
このロケットガールシリーズは、「女子高生が宇宙に行く」話で、それだけ聞くと、掃いて捨てるほどあるありがち小説に思えます。
が、作者野尻抱介氏はライト感覚な小説と、本格SFの両立に天賦の才があるらしく、『すごい』作品に仕上がってます。
仕込まれたネタの数々が、かなり本格的にシミュレートされているようで、その辺のライトノベルスとは……はっきり言って格がちがう!
SFものなら『必ず』読むべき。まいじゃー認定したい実力派!
で、こんだけ上で褒めちぎっておいてなんですが、名台詞はめちゃめちゃ脱落な台詞(笑)。
いっときますが、本編とはほとんど無関係です。
ですが、言葉自体は真実!
たしかにフランス料理って、羊の脳みそとか出てくるし、なんにでもクリームかけたがるし、やたら手を加えたがることも原因で、「つぶれた脳みそ」状態は珍しくないんですよね。
めちゃくちゃ受けまくりました。
「やる気のない人間にどうしろって言うの!」
「やれ!」
「やれ?」
「『やれ!』って言うんだよ。トラブルが起きたら、みんなが絶望してたら、めげるな、やれ! ってぶちかますのがリーダーじゃないのかさ!」
出典:私と月につきあって(ロケットガール) キャラ:ソランジュ&森田ゆかり
月への共同ミッションが「宇宙飛行士」の不摂生によるあいつぐ脱落で、中止寸前に追い込まれた時。
ソランジュは自棄を起こし、ミッションの遂行をあきらめようとします。
そんなソランジュに真っ向から反対したのがゆかり。
反発しあっていた二人ではあっても、宇宙飛行にどれだけの人の夢がかかっているかはわかっているのです……。
と、かきましたが、つまりリーダーシップに関する発言です。
「やれ!って言うんだ」のくだりはかっこええ……と思いません?
まわりくどい言い方されるよりも、ストレートでわかりやすくて心に響きます。
彼女たちは自分で飛んでる! ヤッホー! もう誰にも止められん! それが本物の宇宙船ってもんだ!
出典:私と月につきあって(ロケットガール)/富士見ファンタジア文庫/野尻抱介/絵:むっちりむうにい/217P
キャラ:フランクール
【直営サイト】野尻抱介リファレンス・マニュアル
SF系のサイトとして絶対に外すことの出来ない定番サイト。掲示板は濃いの一言に尽きます。むろん作者さん自身も書き込みをよくされています。あなたがSF者なら一度はのぞいてみましょう。
掲示板でイラストによっても小説の購入は左右されるらしいとわかったので、誰が挿絵を描いてるかも試験的に入れてみることにしました。いつまで続くかは不明。
「ロケットガール」は軽いノリの本格SFです(矛盾してるが気にしないように)。
現役女子高生が宇宙飛行士になって数々のミッションをこなしていく話です。こういう話のとっかかりや、主人公の森田ゆかりをはじめとする女の子たちの性格などは、軽いノリの小説そのものなんですが、新型ロケットの理論や、飛行ミッションの計画や実行などについてはかなり本格的なものとなっています。
「宇宙飛行士の体重を極限まで絞り、さらに宇宙服などに画期的な新技術があったら……」というコンセプトで書かれているとのこと。続きはなかなか出ないようですが、もうひとつのSF作品「クレギオン」と並んで、続編が待ち遠しいです。
「SF作品を読むのはどうも気後れがするが、でもでもチャレンジしてみたい」というSF初心者の方にもおすすめできる一品です。
では、本日の台詞解説。
ネタばれ要素があるので、突っ込んで解説するのを避けますが、簡単に言うと主人公たちが地上の管制を離れて、ロケットを独自のコースで飛ばせたってことです。
SFなどで、ある程度「ロケットを飛ばし方」を知る人であればご存知でしょうが、ロケットは宇宙飛行士が独自に飛ばすものではなく、それどころか実際は地上からの管制こそが主であり、宇宙飛行士の業務は地上のサポートに過ぎません。一見、裏方に見える地上業務こそがロケットを飛ばしているのです。
しかし……なんとまあつまらない話ではありませんか。星の海を自由に駆け巡る宇宙船こそが本来の理想というもの。フランクールの台詞は(たぶん)こういった心情を表したものなんではないでしょうか。(00/6/25)
「間違った方を選ぶのは もうちょっと大きくてバカになってからだ」
出典:ロケットマン (コミック)/講談社コミックス/加藤元浩/2巻127P
キャラ:R
【作者直営サイト】なし
【絵師直営サイト】なし
特記事項なし。
★2003年9月23日(火)
『台詞だけ更新』
大掃除中につき最小更新です。
▼本日の木乃葉子トピック▼
本日はお休みです☆
▼本日の作品&台詞解説▼
ロケットマンは……あーあー、つい誘惑に負けて月刊とはいえマガジンから台詞を選んでしまいました(^^;
しかしおもしろさは保証付き。Q.E.D.と同じ作者さんの作品ですが、見事に同じ空気が流れています。こっちの方は大きなストーリーのついたミステリ風味のアクションとでもいった感じ。
ロケットマンというタイトルがついてはいますが、ロケットを飛ばすSFものではありません(ロケットはほんの薬味という感じ)。
それでは本日の台詞解説。
子供の純粋な心は何者にも勝る、とだけ説明しておきます。
「言っただろう。我輩は浪漫探偵だと」
「それが説明になってないってさっきから」
「しかし本当にそうなのだ
我輩は君を護る。君だけを護る。君を他の何よりも優先する。君のことは何でも知っている。君のために我輩はこの時代に存在している。この世の誰よりも、何よりも、君のことを大切に思っている。だからこそ君はあの屋敷で我輩と暮らすのだ。これが理由として不足だというならば、いったいこの世のどこに、『満足』などというものがありうるのだ?」
出典:屍天使学院は水没せり(浪漫探偵・朱月宵三郎)/富士見ミステリー文庫/新城カズマ/絵師:左/85P
キャラ:須藤竜也
【作者直営サイト】散歩男爵
【絵師直営サイト】Left side
新城カズマさんの散歩男爵は相当なくせ者サイトです(笑)。
あとどうしても一言だけ。左さんの直営サイトは探すのにかなり苦労しました。「左」ですよ「左」! どうやって検索しろと(^^;
「屍天使学院は水没せり」は、いわゆる探偵小説です。
ミステリ、ではありません。探偵小説。しかも最初から、先人たちの小説のオマージュであることをはっきりと謳っています。
聖クラリッサ学院に通う少女・真夜は、ある日謎の白い大猿に教われますが、その窮地を救ったのが浪漫探偵・朱月宵三郎でした。
彼はなんと本の中に存在し、同じくそこから存在しながら封印をから抜け出した怪人・夕闇男爵を捕らえるために甦ったと言うのです……。
見るからに荒唐無稽な感じですが、大風呂敷を広げるだけ広げても違和感がまるでないところがすばらしい点です。
探偵小説であるからには謎解きに至る道も独特ではありますが、頭の体操をしている気分。普段ミステリを全く読んでない私がいうのはなんですが、とにかく一見の価値あり。ミステリ畑の人は絶対買い、だと思います。
そして大風呂敷が好きな人も。個人的には、新城さんの描写する独特なテンポによる会話の応酬及び独白がすっごく好きなんです、ええ。
さて台詞の解説に移りたいと思います。
この浪漫探偵は、真夜を護るためと言いあれこれ口を出してくるのですがそれをうっとうしがる真夜に向かって言った台詞ですね。
この細かいニュアンスが説明不能なところであって、ぜひとも本編を読んで欲しいなあと思うわけです。(01/4/13)
『退院したら、どんなことをやってみたいですか?』
「走りたい」
『それは難しいですね。残念ですけど。他には? 君のような明晰な知性と集中力があれば、何だってできると、僕は思いますよ』
「そうだね
悲惨と恐怖。不安と反目。無意味な死と、不条理な事故と、悲劇と、苦痛と、それから無限に深い絶望」
『……それを全部やってみたいんですか?』
「まさか。それ以外の経験なら、もう何だっていいってこと。私は、もうそういうのはこりごりなの。だから見ないことに決めたわけ。不幸とか苦痛とか、そういうのはね」
『見ない、ですか。でも、もしもそういう場面に出くわしたら? たとえばクラスメートがいじめられていたりとか』
「逃げるよ。関わりになる前に。きっと見てるだけでも我慢できないもの」
『本当に?』
「もちろん!」
『でも、本当に?』
「…………」
本当に?
出典:屍天使学院は水没せり(浪漫探偵・朱月宵三郎)/富士見ミステリー文庫/新城カズマ/絵師:左/206P
キャラ:医者&深草真夜
【作者公認サイト】散歩男爵
【絵師直営サイト】Left side
新城さんのサイトはかなりの癖者サイト。一度はのぞいてみましょう。
すいません、あまりにも本日は会話が長くなってしまったんでカッコで人物を区別してあります。おまけに最後の一文は会話じゃないですが、ご勘弁を(^^; なおメインは後半なり。
「屍天使学院は水没せり」は、ミステリ「風味」の探偵小説なお話。
浪漫探偵・朱月宵三郎が浪漫的探偵術を駆使する、荒唐無稽な大風呂敷かげんが漂う作品です。
独特な台詞回しによって、荒唐無稽な話のはずが真剣に引き込まれてしまう魅力を持っています。例えば今日紹介する台詞にしてもどこか独特なテンポを持っているわけですが……。
つうわけでさっそく解説いってみましょう。
この物語の主人公的存在である真夜は、過去に大怪我を負って足を負傷し、陸上選手の道を断たれています。すでに彼女の中では「走ること」へのあきらめがついていますが、当然単純に割り切れるはずもなく、屈折した感情が渦巻いている。そんな前提のうえでの台詞です。
(なお、本日の台詞は地の文を少し割愛して掲載してあります)
人は果たして痛みから目を背けることができるのでしょうか? 現実から目を背け続けて。
否。
いつかは必ず正面から向き合わなければならない時がやってきます。それをあえて問いかけだけで表現しきっている点で、この台詞には脱帽です。(01/5/15)
(教えてよ! この際、罪の告白でも何でもいいから! 私を、置いていかないでよ!)
(答の無いまま、私を置いてきぼりにしないでよ!)
出典:屍天使学院は水没せり(浪漫探偵・朱月宵三郎)/富士見ミステリー文庫/新城カズマ/絵師:左/223P
キャラ:深草真夜
【作者直営サイト】散歩男爵
【絵師直営サイト】Left side
ファンサイトはない、と思いますたぶん。
ついに夏休みも終わりですねー。
社会人な私としては、別に関係ないというかむしろ電車が混むので戻ってこなくてもOKだよとかそんな事は決して思っていませんともええ(笑)
そんな夏休み最後の日の過ごし方として、掲示板の方でおもしろいことが紹介されていました。
星虫というSF作品があります。この作品は夏休み最後の日から始まるのですが、その一週間の物語を、毎年毎年、それに合わせて一週間かけて読み返すという人がいらっしるとのこと。
おおお、これこそ本読み冥利に尽きますですよ! 私も真似してみようかな。
さて「屍天使学院は水没せり」は、探偵小説です。ミステリではなくて。
探偵小説。
オマージュであると作者さん自ら謳ってますので、この方面に造詣の深い方はより一層楽しめますが、別に知らなくても充分楽しいです。
聖クラリッサ学院に通う少女・真夜は、ある日謎の白い大猿に教われますが、その窮地を救ったのが浪漫探偵・朱月宵三郎でした。
彼はなんと本の中に存在し、同じくそこから存在しながら封印をから抜け出した怪人・夕闇男爵を捕らえるために甦ったと言うのです……。
荒唐無稽ですねー、しかしこの大風呂敷が醍醐味といっていいでしょう。こういった話はとんでもなく広がった謎をいかにして収拾をつけるかがおもしろいですね。
新城さんの書く作品は独特なテンポがあるのですが、はまるとこれが大変心地よいのです。
台詞の方は特に解説しません。
ですが、昨日の台詞と同じく「知る欲求」をテーマにしてみました。たとえどんな衝撃的で悲惨な事実が待っていたのだとしても、答えを知らないまま放り出されるよりはずっといい。
知らないことには耐えられない、まあそんな感じです。 →bk1
(01/8/31)
「どちらが本当の君なのかね? 他人の目に映る君の姿か、あるいは君自身に見えている君か?」
「決まってるわ。後者よ。
私の見てる私が、本当の私。以上、証明終わり」
「どうしてだね?」
「へ?」
「それはどうしてそうなるのだね」
「どうしてって……」
――だって、当たり前じゃないの。自分のことは自分が一番良く知っているんだから。他の人がなんと言おうと、これ以上確かなことはない。いったいこのトンチキ探偵は、何の話をしているんだろう?
出典:無謬邸は暁に消ゆ(浪漫探偵・朱月宵三郎) 《小説》/富士見ミステリー文庫/新城カズマ/絵師:左/58P
キャラ:朱月宵三郎&深草真夜
【作者直営サイト】散歩男爵
【絵師直営サイト】Left side
特にはコメントなし。
★2002年1月9日(水)
『オビは肖像権にかかるのか?』
まいじゃーでは、多少は著作権に気を使っています。引用台詞がタイトルだけでなくわざわざページ数まで書いてあるのはもともと著作権対策でしたし(今は閲覧用の利便性が主目的です)、画像は使わないようにしてます。
が、ふと思ったんですが・・・本についている「オビ」。あのオビ部分だけをデジカメで撮ってWEB上で公開した場合はどうなんでしょうね?
肖像権でOUT? それとも著作権とか他で規制がかかるのか? フリー? うーんぜひとも知りたい。自分なりに研究してみたけどさっぱりでした。いったいどこが権利を持つのかもよくわからんし・・・。
可能ならデジカメで公開するのもありかなあ、と思ってみたり。
▼本日の木乃葉子トピック▼
■月姫関連アイテムいろいろ
公式サイトで、3月17日のサンシャインクリエイション15にアレンジサウンドトラックが販売予定であるとか、ユージンから「月姫」トレーディングフィギュアが発売決定とかいったニュースがありますが、一部の方にとって最も重要な情報はこれでしょうか?
『翡翠萌え萌えバスタオル』通信販売されるそうですよ☆
詳しいことは未定だそうですが、これでもう安心です。
ところでここは萌え系サイトじゃないんですけど。なんでこんなニュースを選んできますか? トンボさん。
「いや、月姫読本再販って辺りは重要かなと思って」
・・・うまく逃げましたね☆
■かきあげ丼を食べて原稿量産(散歩男爵より)
いえ、これは特定の方に向けた話と言うわけではありませんよ?
今日紹介している本の作者、新城カズマさんはあとがきの中で、かきあげ同盟なるものを結成されています。
これはつまり「受験生が縁起を担いでカツ丼を食べるがごとく、我々物書きも、かきあげ丼を食べて執筆業に精を出そう」ということなのですね☆
漫画家・作家のみなさんは、よろしければ同盟に参加されて原稿を量産してください。
そうですね、あの方とかあの方とかあの方とか食べてほしい方はたくさんいらっしゃるのですが、よかったら出前致しましょうか☆
▼本日の作品&台詞解説▼
「無謬邸は暁に消ゆ」→bk1、→amazonは、浪漫探偵・朱月宵三郎の新作になります。
この浪漫探偵シリーズ(といっても2冊目ですが)の最大の特徴はずばり探偵小説のオマージュであることです。推理小説、ではなく探偵小説。
小説の中からよみがえった浪漫探偵とかいう時点でなんとなく方向性の一端が見えてきませんか?
ですから謎と謎解きは当然あるのですが、それに絡んでくる事象がやたらと大風呂敷で演出がかっていてその辺が最大の見所です。また、相変わらず芝居がかった独白とかは健在でその辺も見逃せない点となっています。
なおこの作品は、屍天使学院は水没せり→bk1、→amazonを先にご覧になってからの方が楽しめるかと思います。
さて、本日の台詞ですがなかなかに興味深い台詞です。
台詞としては、下級生に突如憧れの的にされてしまい、困惑している真夜。自分はそんな人間ではないと言います。そこで探偵の問いかけがはじまるのです。
よくあるパターンだと、自分のことは自分が一番よくわかるという展開になるのですが、ちょっとこれは違ってます。誰の目がもっともよく「見えて」いるのか?
(02/1/9)
「推理するとは、疑うことだ。しかし、探偵するとは信じることだ」
出典:無謬邸は暁に消ゆ(浪漫探偵・朱月宵三郎) 《小説》/富士見ミステリー文庫/新城カズマ/絵師:左/154P
キャラ:朱月宵三郎
【作者直営サイト】散歩男爵
【絵師直営サイト】Left side
特にはコメントなし。
★2002年1月10日(木)
『ギブミーブロードバンド』
極楽トンボの実家(愛知のかなり辺境にあり)にもようやくADSL網がやってきたようです。本当なら即日申し込みたいところなのですが……くそ、工事に立ち会えねえよ! 実家に帰ることの出来る週末はNTTやってないし。仮住まいの浜松のウィークリーマンションは当然のことながら、勝手に電話回線など引けるはずもなし。
くー、じれったいったらありゃしません。ぎぶみーぶろーどばんど。
▼本日の木乃葉子トピック▼
ネタ探しの旅に出ています。
探さないでくださいね☆ 木乃葉子
▼本日の作品&台詞解説▼
昨日に引き続き「無謬邸は暁に消ゆ」→bk1、→amazonから。
補足ですが、この作品解決編ははっきりいってすごいです。
ちゃんと秩序だってはいるのですが、なにしろ浪漫的探偵術とやらに基づいているので、トリックとかはただただ口を開けて呆然と解説を受けるしかないと思います。
突き抜けてます。
一度は見てみましょう。ツボにはまればおめでとうと言うことですええ。
さて、本日の台詞。
わかったようなわからないような台詞ですが、日常ミステリを読んでる人のほうが実感しやすいでしょうか。思わずうんうんとうなずいてしまえる破壊力を持った台詞です。『探偵する』という怪しげな動詞がポイント。
(02/1/10)