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”文学少女”と飢え渇く幽霊

タイトル:”文学少女”と飢え渇く幽霊(小説:ファミ通文庫)
作者  :のむらみづき:野村美月
絵師  :竹岡美穂
デザイン:?
編集  :?

まずはじめに注意点を挙げておきます。
今回もとある文学作品をモチーフにしているわけですが……
「あとがき」と「あと描き」にはでっかいネタバレがあります。
この作品は本文から先に読みましょう。

よし、警告終わり。
今回も某古典作品をモチーフにしてますが、タイトルを出すと中には展開が読めてしまう人もいるかもしれないのであえてタイトル名は伏せておきます。
今回は、幽霊騒ぎから始まってミステリ調で物語が進むわけですが、後半に入ってからの怒濤の展開が素晴らしいです。相変わらず適度にほっとするコメディを入れつつ、基本的にはシリアスな方向で進む作風もいいですね。このシリーズになって、野村美月という作家さんは一皮むけたような印象を受けます。

それとこのシリーズは、文学作品との架け橋を作るという意味でも意義のあるシリーズかもしれません。ライトノベルを読む人の中には、どうしてもライトノベルばかり読んでしまい他に目が行かない場合があるのですが、一歩外に踏み出してみると、いろいろ面白い本は転がってます。そういうきっかけになると思います。学校の図書室とかに置いてみてはいかがでしょうか(笑)


この作品の名台詞

あのとき、遠子先輩はぼくを慰めてくれたのだろうか。
遠子先輩は、ぼくの悩みを聞いてくれたわけでも、ぼくを抱きしめてくれたわけでも、肩を叩いて励ましてくれたわけでもない。
ただ、側にいてくれた。
きっと、それだけでも、救われることはあるのだ。
特別なことや、難しいことでなく、ただ、隣でそっと本のページをめくってくれるだけでも……。

→解説


「わたしは、この本を読めば読むほど、おなかがすくの。心がからからに飢え渇いて、喉がどうしようもなく締めつけられて、狂おしいほどの飢餓感に頭が熱くなって、息が苦しくなるの。なのにどうしてだか、いつも最後まで読んでしまうのよ」

→解説


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トラックバック

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from F.Y.A.E./review ver. on 水曜, 2006/09/13 - 21:51

表紙を見たら予備知識なくても衝動的に買うでしょ?的なこのシリーズですが、頁をめくれば更なる喜びが溢れていることを保証します。

”文学少女”と飢え渇く幽霊
 文芸部部長・天...

from 本を読みながら日記をつけるBlog on 土曜, 2006/09/09 - 20:56

前巻、「文学少女と死にたがりの道化」がそれなりに面白かったので楽しみにしていた第二巻「文学少女と飢え渇く幽霊」。タイトルからしてホラー風味なのかと思っていましたが、...

from ライトノベル名言図書館 on 土曜, 2006/09/02 - 16:34

☆☆☆☆☆ “文学少女”と飢え渇く幽霊 著者/野村美月 イラスト/竹岡美穂 ファ