名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

“文学少女”見習いの、傷心。

タイトル:“文学少女”見習いの、傷心。(小説:ファミ通文庫)
作者  :のむらみづき:野村美月
絵師  :竹岡美穂
デザイン:?
編集  :?

遠子先輩とは全く似ていないようで、どこか近しいものを持つ”文学少女”見習い日坂菜乃。
遠子先輩が卒業してしまった後の文芸部に入ってきた、とにかくポジティブの固まりのようなこの少女の、心葉への恋心の行く先は……?

2巻では心葉の「優しい人」攻撃にあってさすがの菜乃も少しはめげたかと思えば……
いやはや全然めげませんね。

外伝という形式ではありますが、実質的には本編の一部だと思っていいのでは。
文学作品と絡めて時に切なく悲しい、でもそれだけではない恋愛&青春模様を語る文学少女シリーズは相変わらず勢いがあります。

心葉が好きだけど、ちっとも距離を埋められない菜乃。
さすがにめげかけていたけど、おせっかい屋の姫倉真貴先輩の差し金もあって関係修復。
そんな報われない恋をしている菜乃にチャンス到来!
心葉に合唱部のコーラス劇の脚本依頼が舞い込んだことで、文芸部も文化祭に出ることになったのです。
そして合同での練習が始まったのですが、やっぱり平穏にはいかないようで……

あらすじは言いませんがこれくらいは明かしてもいいかな。
ななせをはじめ、本編の主要なメンツは次々顔を出すのでそれだけで幸せな気分になれます。
まあ、いろんな意味で「らしい」言動をしてくれますけどね!

しかしまあそれにしても菜乃のポジティブさは見習うべきかも。
遠子先輩とは違うけど、いつの間にか周りを巻き込んで前に進ませてしまうところは一緒なのかなあ。


この作品の名台詞

「ロマンとかそういう問題じゃない。本当に怖いのは悪霊でも怪物でもなく、人間じゃないか?」
「ごく普通の、あたりまえの人間が、ある日ふいに得体の知れない怪物に変わる。人としての理解の範疇を超えた、恐ろしいことや残酷なことをしてのける。それまで笑顔が明るい平凡な女子高生だったり、よく知っている幼なじみだったり、まっとうな大人だったりした人たちが……」
「怪物なんて、いない。人が怪物になるんじゃないか」
「……もしかしたら、ぼくも怪物かもしれないよ」

→解説


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