名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

“文学少女”と死にたがりの道化

タイトル:“文学少女”と死にたがりの道化(小説:ファミ通文庫)
作者  :のむらみづき:野村美月
絵師  :竹岡美穂
デザイン:たかはし:高橋秀宜
編集  :荒川友希子

これはなかなかおもしろかった!
最初はてっきりコメディかと思っていたらとんでもなかった。むしろミステリ……というかサスペンス調です。
物語を文字通り「食べてしまう」”文学少女”な文芸部の先輩と、今は平凡極まる生活を送る男子文芸部員・井上心葉。
この二人がとある生徒から持ち込まれた「恋を叶えて欲しい」依頼を引き受けることで、ある事件の渦中に立たされることに……。
あまり説明しすぎるとネタバレになるので難しいところですが、太宰治の「人間失格」を読んでおいた方がより楽しめる、とだけ言っておきます。
なお、人間失格はweb上にある青空文庫で無料で読めますのでご利用されるとよいかも。


この作品の名台詞

「き、きみは?」
「”文学少女”よ」

→解説


「やだぁ、苺大福の箱が落っこっってきて初恋の人が死んじゃったーーーー。やだぁ、やだぁ、ヘンな味ーーーー。お豆腐のお味噌汁に、あんこを浮かべたみたいーーー。ぐすっ、ひっく、マズイよーーー」

→解説


あの日、やわらかな肉が押しつぶされ、甘いような酸っぱいような香りのする赤い血が、黒いアスファルトの上に広がってゆくのを、空っぽの心で眺めていました。
自分は、人間を、殺しました。
神様も、もう自分を助けてはくださらないでしょう。

→解説


「おなかすいた〜、なんか書いて〜、書いて〜」

→解説


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from blah-blah on 日曜, 2006/06/25 - 18:30

【ラノベ】“文学少女”と死にたがりの道化 著:野村美月 出版:エンターブレイン 文芸部に舞い込んだラブレター代筆依頼。 物語を食べる妖怪・遠子先輩の命令で、元覆面美少女作...

from 今出川通信 on 日曜, 2006/06/18 - 16:54

――味覚障害者が「甘い物語」という表現を使うとき――

■キーワードは「想像力」
野村美月さんの『“文学少女”と死にたがりの道化』について、
ブログ『一本足の蛸』の主宰者...

from 今出川通信 on 水曜, 2006/06/14 - 11:49

■「元・美少女作家」は男の子!?
野村美月『“文学少女”と死にたがりの道化』の主人公である
「ぼく」こと井上心葉(このは)は、
元・天才覆面美少女作家であった。

この、一見...