名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

角川書店

11/06/08 - の記事

ロンリー・コンバット!

タイトル:ロンリー・コンバット!(小説:角川書店)
作者  :ひなたまさみち:日向まさみち
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

タイトルがこれで、表紙絵がこれなんでまあ内容はおおよそ想像がつくとは思いますが……

かなり洒落にならん物語です。犯罪行為はないけれど、あまりの痛々しさにもう見てられない。特に真性の人が読むとショックで倒れるかも。

このサイトで取り上げてはいますが、内容的にはラノベじゃないです。異能もコメディもありません。それだけに本書で扱われるロリコンも笑って済ませられるギャグネタではなく、もっとずっと重いものです。
ゆえに心して読んでください。ただ、痛々しくはあるけれど読む価値はあります。

なお、作者名に聞き覚えがあるような?と思ったアナタ、正解です。作者は「本格推理委員会」でデビューしています。かなりその人生には紆余曲折があったようですが、再びこの世界に戻ってきました。

10/07/07 - の記事

ふたりの距離の概算

タイトル:ふたりの距離の概算(小説:角川書店)
作者  :よねざわほのぶ:米澤穂信
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

古典部シリーズ新作。
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」をモットーとする、省エネ主義者の少年・折木奉太郎を探偵役に、古典部に関わるトラブルを解きほぐす日常ミステリ。日常ミステリなので誰も死にませんので、安心して読んでいられます。
毎度のことですが、思春期の少年少女の非常に微細な感情の揺れがとてもよく描写されてます。
ミステリの部分については門外漢なのでスルーで。

10/06/26 - の記事

ともだち同盟

タイトル:ともだち同盟(小説:角川書店)
作者  :もりたきせつ:森田季節
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

「ベネズエラ・ビター・マイ・スイート」という非常に特徴のある青春小説でデビューした森田季節の新作が、一般文芸のハードカバーから出たのですが……

これがもう、読んでる途中で鳥肌の立ってくるようなかなりダークで、それでいて一級の青春小説でした。すばらしいです、文句なしに赤枠おすすめで。

08/10/27 - の記事

推定少女 (角川文庫版)

タイトル:推定少女 (角川文庫版)(小説:角川書店)
作者  :さくらばかずき:桜庭一樹
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

普通の少女、巣籠カナが、やっかいごとに巻き込まれ逃走中に見つけた謎の少女。
記憶を失っていたその少女は、カナにより白雪と名付けられますが、その行動もまた非常に謎めいていて……。
勉強などで日々閉塞感を覚え追い詰められた中学生の、なんとかしたいけれどできない焦燥感や大人に対する不信感などを非常に巧みな筋立てで描いた青春ストーリー。
現実か、幻想かあえてぼかされたちょっと謎めいたカナと白雪、二人の少女の逃避行の結末は……。
基本的に砂糖菓子は弾丸を撃ち抜けないと対をなす作品ですので、推定少女だけ未読の方がいたら迷わず読まれることをおすすめします。

角川文庫版には未収録シーンと文庫版あとがき、高野和明による解説が収録されてます。
「推定少女の元々のラストはバッドエンドだったが、編集側の意向でハッピーエンドに変更された」という経緯があり、今回の文庫版ではファミ通文庫版のラストに加え、未収録ラスト2つを収録
さて、では実際のところはどうだったのかというと……

08/03/02 - の記事

ばいばい、アース 4

タイトル:ばいばい、アース 4(小説:角川書店)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

圧倒的な存在感のある、本格ファンタジー小説。
非常に硬質な内容なので軽めのキャラ小説を求める方には少々重いかもしれませんが、しっかりと隅の隅まで構築された世界観を楽しみたい方や、文体そのものに酔いしれたい方には断然おすすめ。あ、大剣+少女という組み合わせにも注目。
これにて完結です。

08/02/21 - の記事

赤×ピンク

タイトル:赤×ピンク(小説:角川書店)
作者  :さくらばかずき:桜庭一樹
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

ほんというとできればファミ通文庫版をおすすめしたいところですが……。
闇プロレスでキャットファイト。
「なんだそれ?」と思うでしょうが、たぶん読まないとこの感覚はわからないと思います。
最初に桜庭一樹という作家を「おや?」と認識させたのは、たぶんこの作品からという意味でぜひこの機会に一読してもらいたい作品です。

07/11/06 - の記事

遠まわりする雛

タイトル:遠まわりする雛(小説:角川書店)
作者  :よねざわほのぶ:米澤穂信
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

千反田えるかわいいよ千反田える。
やらなくてもいいことなら、やらない。
やらなければいけないことは手短に。
これをモットーとする省エネ主義者?の折木奉太郎が、たびたび主義を返上しては彼らの日常でつまづくちょっとした謎を解いていく古典部シリーズの短編集。
日常ミステリにして青春小説。
……なのですが、なんといっても千反田えるに萌え殺されること必至!です。
イラスト一枚あるわけじゃなし、またステレオタイプなツンデレ描写があったりもしませんが、その言動ひとつひとつに魂を奪われるのです。

07/10/04 - の記事

ばいばい、アース 1

タイトル:ばいばい、アース 1(小説:角川書店)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

大剣をぶん回す少女が主人公! そして書くのは冲方丁。いや燃える燃える!玲朧月さん、チェック済んでます~?(笑)
ハードカバーで長らく入手不可になっていたものの文庫版で出ます。4分冊で毎月刊行。
内容としてはハイ・ファンタジーになりますが、これはいいです。断然おすすめです。

07/04/14 - の記事

夜は短し歩けよ乙女

タイトル:夜は短し歩けよ乙女(小説:角川書店)
作者  :もりみとみひこ:森見登美彦
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

読もう読もうと思いつつ、入手に手間取りすっかり読むのが遅くなってしまいやっとこさ読了。
ライトノベル読みにはかぎりなく親和性の高い一般小説です。読んでいる間中、終始顔面周りの筋肉がゆるみっぱなしでした(笑)。
大学の同じクラブの後輩に一目惚れして、少しでもお近づきになろうと街角のあちこちで「偶然」遭遇を試みる先輩と、飄々とマイペースであちこちに首を突っ込んで歩く後輩。そのすれ違いっぷりには涙さえ誘います。果たして先輩は後輩とお近づきになれるのか?
外堀を埋めてばかりでちっとも本丸に突撃できない先輩に涙しつつ、先輩と後輩、それに二人の周りの人々のちょっとおかしな日常を描いた作品です。

07/03/01 - の記事

クジラの彼

タイトル:クジラの彼(小説:角川書店)
作者  :ありかわひろ:有川浩
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

他の作品を知らなくても全く問題なく楽しむことが可能ですが、シンクロ率がはねあがるので「空の中」及び「海の底」読了後に読まれることを推奨します。
内容的には自衛官の彼or彼女というちょっと特殊な職業ゆえに起こる問題に揺らされながらも愛すべきバカップルな短編集です。
あーもー出てくる人物みんな男も女も含めて(たとえ30に手が届こうとも)かわいい! そこだ! 行け! バカップル!
短編なだけに間延びしないので、破壊力でかすぎ。おすすめ。

06/12/20 - の記事

黒い季節

タイトル:黒い季節(小説:角川書店)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

冲方丁のデビュー作。
絶版になって以来長らくヤフオクなどでプレミア価格で取引される状態でしたが、このたびめでたく復刊です。私も買わないと。
ところで「ばいばい、アース」は復刊しないんですかね?