名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ハヤカワ文庫JA

12/09/18 - の記事

スワロウテイル序章/人工処女受胎

タイトル:スワロウテイル序章/人工処女受胎(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :とうまちとせ:籘真千歳
絵師  :竹岡美穂
デザイン:?
編集  :?

スワロウテイル序章。

独自の世界観、広がる大風呂敷、科学、宗教観、AIに至るまでとにかく壮大なテーマを詰め込んだシリーズ。
SF寄りのラノベ読みや、AIスキーには全力でおすすめしたい! あまりにもいろいろ詰め込まれたためにとっつきづらさを抱えているシリーズなんですが、未読の方はこの3巻から読むと比較的情報量が少なめで、学園生活描写が楽しく、またいくらか文章的にもこなれてきているので世界観に入りやすいのではないかと思います。キャラから世界にはいるタイプの人にはこの読み方をオススメ。
ただ、神林長平あたりでも普通に読むぜ、という方なら普通に1巻から入った方が世界観に魅入られやすいのではないかと思われます。まあ時系列は3、1、2巻の順でも執筆はあくまで1巻が最初ですしね。

男女が別々の自治区で暮らす人間と共に生きる人工妖精<フィギュア>。2歳になる人工妖精の少女・揚羽は、全寮制の看護学園に通いつつ、裏では人間に仇なす狂った人工妖精を処分する《青色機関》の一員として活動していた……。

12/07/19 - の記事

ヘンたて 幹館大学ヘンな建物研究会

タイトル:ヘンたて 幹館大学ヘンな建物研究会(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :あおやぎあいと:青柳碧人
絵師  :pomodorosa(ろさ)
デザイン:?
編集  :?

ヘンたて? なんじゃそりゃ?
と、一瞬思うもののタイトルで解説されてるので無問題。

箱ものミステリ&恋愛模様。あ、ちなみに日常系で人は死にません。
ぶっちゃけ『そんな構造の建物あるはずない』レベルのものが、ミステリのまな板にあがるので、適度に頭を動かしつつもゆるい気持ちで読めばいいんじゃないかと思います。

11/10/01 - の記事

スワロウテイル/幼形成熟の終わり

タイトル:スワロウテイル/幼形成熟の終わり(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :とうまちとせ:籘真千歳
絵師  :竹岡美穂
デザイン:?
編集  :?

前作が好評だったようで続編が!
なんといってもその世界観が魅力!

<種のアポトーシス>と呼ばれる病の感染拡大を防ぐため、感染者は関東湾に作られた浮島の巨大な自治区に男女別に隔離されて暮らしている。失われた異性の代わりに、人は第三の性となる人工妖精<フィギュア>と呼ばれる人型インタフェースを作りだし、彼らと共棲している。彼らは五つの原則に従って、人間達と関わっていく。

AIスキーなら、と最初に言いましたがこれの魅力を一口で語り尽くすのは非常に難しいですね……。多くの要素が凝縮されているのは間違いないです。ハヤカワならではの、キャラ小説の枠では描写が難しい、重厚なストーリーや世界観に酔いしれてください。おすすめ。あ、AIスキーはぜひ! 未読の方は1巻をよろしく!

11/05/17 - の記事

マルドゥック・フラグメンツ

タイトル:マルドゥック・フラグメンツ(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :寺田克也
デザイン:?
編集  :?

「マルドゥック・スクランブル」、「マルドゥック・ヴェロシティ」、そして新作のアノニマス。それら三編に連なる短編集。
ウフコック、バロットはもちろん、ボイルドの邂逅など、隙間を埋める物語については発表済みのものですが、新たなるバロットとウフコックたちの活躍を描く「アノニマス」については書き下ろしです。

さすがのおもしろさ。言うことなし。
……なんですが、個人的に衝撃の事実が初出SFマガジン2010年12月号のロングインタビューで明らかに。
「マルドゥック・スクランブル」の完全版は、一からすべて書き直していたそうです。なんということだ! 改めて買うしか!

10/10/20 - の記事

スワロウテイル人工少女販売処

タイトル:スワロウテイル人工少女販売処(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :とうまちとせ:籘真千歳
絵師  :竹岡美穂
デザイン:?
編集  :?

刊行されたのが6月末なのでけっこう経ってますが……
いやあ、これはおもしろかったです!

電撃文庫で、「θ 11番ホームの妖精」でデビューした作者さんです。その後が続かずどうしたんだろうなーと思っていたら、ハヤカワからよりSF色の強い作品が出ることになったというわけ。
なるほどこれを読む限り、SF色を強く出した作品の方が向いているように思いました。
AIスキーは必見! 単にAIだけの話に留まらずスケールアップしていく魅力もあり、SF好きにもおすすめ。

10/10/07 - の記事

不動カリンは一切動ぜず

タイトル:不動カリンは一切動ぜず(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :もりたきせつ:森田季節
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

え、あれ、どういうことなの!?

まず最初の設定からしてちょっと目を惹きます。
HRVというウイルスによって、性交渉=ウイルス感染による死の危険のため御法度となりすべての子供が人工授精によって生まれ、掌に埋め込まれたノードによって思念で情報や意思を通じ合うそんな未来の物語なんですが……
不自由な環境にも負けず二人の少女が絆を深める青春小説だとばっかり思っていたら、「ええええええええ」ということになってます。でもこれは一度体感してほしい。たぶん読んだ後の評価はかなり割れそうではありますが、おすすめ。

07/12/06 - の記事

ばいばい、アース 3

タイトル:ばいばい、アース 3(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

独自の世界観と重厚な文体で畳みかける、冲方丁の初期の傑作ファンタジーです。
長耳や毛皮など、誰もが種族的な特徴を持つ中で唯一、何ら特徴を持たないのっぺらぼうの少女として生まれらラブラック・ベルの戦いを描きます。
なんといっても大剣と少女という組み合わせがまず燃えます。
作中のアクションの数々も、その独特の世界観が存分に生かされていて、文章に酔いしれることでしょう。
単にキャラクターの活躍だけを描写している作品ではない為、軽めの作品をお求めの場合にはやや不向きかもしれませんが、しっかりしたストーリーを求める方にはおすすめです。

なお、細かいストーリーを書かないのはややこしいので一言では説明不能の為。べ、別に手抜きしたわけじゃないんだからね!

07/11/20 - の記事

ばいばい、アース 2

タイトル:ばいばい、アース 2(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

世界でただ一人、何の種族的特徴も持たない「のっぺらぼう」として生まれた少女ラブラック・ベルが、自らが生まれた理由を問うハイ・ファンタジー。
単にキャラ小説として読もうと思うと、文章が重く感じるかもしれませんが、圧倒的な世界観、それぞれの登場人物が背負う重い感情を持っており、文章そのものに酔いしれたい人にはぜひぜひ読んで欲しいシリーズです。
大剣と少女という組み合わせにピンと来た方にもおすすめ。

07/03/15 - の記事

星界の断章 2

タイトル:星界の断章 2(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :もりおかひろゆき:森岡浩之
絵師  :赤井孝美
デザイン:?
編集  :?

”アーヴによる人類帝国”の国家のあれこれを、アーヴの皇女・ラフィールと、数奇な運命の末に巡り会った少年・ジントを中心としながら描く壮大なSFストーリー。
今までに見せ場のあった主な人物の多くにスポットが当てられた短編12篇を収録した短編集です。
……書き下ろしは一個しかないけど、でもおもしろいですやりきれないことに(苦笑

07/03/08 - の記事

2007年3月 の新刊情報 ハヤカワ文庫JA

といってもライトノベル方面だと星界の断章だけ……おっと、25日に大久保町の決闘がハヤカワから出るみたいなのでこれも。
……最近のハヤカワは、古いライトノベル(それも斜め上方向にかっとんだやつ)の新装板をいろいろ出してきますね。
次は食前絶後!とかそのあたりかもしんないとかなんの根拠もなく言ってみたり。

星界の断章 II 森岡浩之(3/8)
大久保町の決闘 田中哲弥(3/25)

07/02/07 - の記事

零式

タイトル:零式(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :うみねこざわめろん:海猫沢めろん
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

熱い! これは乾いた硬質な雰囲気を持ちながらも、実に熱い青春小説です。
どこにも心のやり場がなくあがき続ける少女達は、最後に何を掴むのか?

第二次大戦で国土へ原子爆弾を落とされ、帝国に敗北した神國。鎖国政策の名の下にバベルの塔じみた壁によって遮られた世界が舞台。ただ生きるだけの貧しい暮らしを強いられ、一部の人間は国粋主義者として徒党を組み始めている。一方で科学は発展し、バイクはリニアで走るのが当たり前の世にあってあえて原始駆動機(レシプロマシン)で走ることにこだわり続ける特攻少女・朔夜は今日もリニアに無謀な勝負を挑む……。

06/11/27 - の記事

マルドゥック・ヴェロシティ 3

タイトル:マルドゥック・ヴェロシティ 3(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

独特な文体から繰り出される硬質なストーリーとアクション。
マルドゥック・スクランブルの過去、ウフコックとボイルドの物語です。
なお、分かり切ったことですがどうあっても大団円では終わりようのない物語なので、ハッピーエンドを所望の方は、引き続いてマルドゥック・スクランブルの再読の用意を。

あー終わってしまった……色んな意味で虚脱してます。とにかく読んでみたらすべてわかる、としか言いようがないですね。何を書いてもネタバレになる

06/11/18 - の記事

マルドゥック・ヴェロシティ 2

タイトル:マルドゥック・ヴェロシティ 2(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :寺田克也
デザイン:?
編集  :?

とにかく燃えに燃えます。09メンバーとカトル・カールのバトルは必見。超人変人のオンパレードです。
硬質なアクションやハードボイルド風味な物語をお好みだったら断然買いです。前作「マルドゥック・スクランブル(全3巻)」未見の方でも、たぶんいきなりこっちから読んでも大丈夫。きっと最終的にはこっちにはまったら向こうにも手を出す頃になるでしょうけれど。
さてさて3巻ではいったいどう話を収束させるんでしょうか……おおよその結末は既にわかってしまっているとはいえ、それでもドキドキさせられます

06/11/17 - の記事

マルドゥック・ヴェロシティ (1)

タイトル:マルドゥック・ヴェロシティ (1)(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :寺田克也
デザイン:?
編集  :?

マルドゥック・スクランブルの6年前の話。
まだバロットに出会う前、ウフコックがボイルドとパートナーを組んでいた時の物語です。主役はボイルド、そして主な舞台はスクランブル 09。
いやもう燃える燃える!
熱いアクションと濃い設定、そしてボイルドからウフコックへの「愛」(とあえて呼ぶ)が実にいい。

06/05/31 - の記事

ミッションスクール

タイトル:ミッションスクール(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :たなかてつや:田中哲弥
絵師  :芝美奈子
デザイン:?
編集  :?

混沌と下ネタ、それがすべてです。
作者7年ぶりの新刊とのことですが、いやはや……ものすごく人を選ぶ内容なので以下に諸注意を。