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落涙戦争

タイトル:落涙戦争(小説:講談社)
作者  :もりたきせつ:森田季節
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

内容としては全く違うんですが、作者のデビュー作 『ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート』を彷彿とさせるような話でした。

どうしても泣けない主人公をなんとしても泣かそうとする話……です、一応は。
そこはやはり森田季節作品だけあって、そもそも序盤の設定からして変ですが、中盤あたりからもう何を信じればいいのやら。
さんざん作者に振り回されましたが、これが終わってみると青春模様になってるから参りますね。風変わりな話ですが、おすすめ。

彼女に振られて失意に暮れる大学生の翔太のもとに、泣かせ屋の少女・ホトトギスが現れる。一週間以内に翔太を泣かせた者に、報酬三千万が支払われるということで、全国から泣かせ屋が彼の元に現れるというのだ。次々現れる泣かせ屋。しかし、やはり泣けない翔太。そんな中、新たな障害が彼を襲うことに……。

そもそも「泣かせ屋」という設定がすでに妙ですが、さらに表と裏の泣かせ屋がいるとか、なんていうかこう全力で斜め上に突っ走って行く感覚がたまりません。特に後半のブーストがもうね!一歩間違うとバカ話になってしまうものをナチュナルにシリアスに青春ストーリーにまとめみせるところに真骨頂があるのです。


この作品の名台詞

「僕はいつだって笑う。死のうとする誰かの前でも。その人を幸せにするために、笑う。それだけが僕の存在意義だ」

→解説


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