名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

狼と香辛料 (7)

タイトル:狼と香辛料 (7)(小説:電撃文庫)
作者  :はせくらいすな:支倉凍砂
絵師  :あやくらじゅう:文倉十
デザイン:?
編集  :?

行商人のロレンスと、賢狼ホロの旅路を描くロードノベルにして経済ファンタジー。
イラストだけ見れば萌え系にしか見えないかもしれませんが、実際に読むとだいぶ印象が違います。
海千山千の会話でロレンスを振り回すホロ。頭の回転が悪いわけではないので時々反撃するものの、たいていはやりこめられるロレンス。
そしてファンタジーの世界に先物取引のような概念を持ち込んで、人に先んじて財を成そうと奮闘する商人の様子にスポットを当てることで既存のファンタジーとの差別化に成功しています。
今回の短編集はいつもと違う視点で語られるため、別の「狼と香辛料」を体験することが出来てお薦め。

とにかくホロとロレンスのじゃれ合いとも化かし合いともつかぬ、楽しげなでも時に緊張感のある掛け合いが非常にいい味を出していますね。一見ロレンスは毎回やりこめられているだけのように思えますが、今回の短編集でまだ10代の少年がホロにいいように弄ばれているのを読むと、「ロレンスってやっぱりできる人だったんだ!」というのがよくわかります(笑)

あと今回はホロの一人称が初登場。
普段ホロが何を考えて行動しているのかが垣間見えて非常に興味深いです。これはぜひもう一度別のエピソードも読んでみたいですね。


この作品の名台詞

「せいぜい高値でわっちを買ってくりゃれ?」
「買ってやる。ただし支払いは林檎でな」
「ぬしもなかなかきついところがある」
「焼いたら少しは甘くなるかもしれない」
「焼いた雄など甘ったるくて食えぬ」
「ならお前は?」
「試しにかじってみればよい」

→解説


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