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マグダラで眠れII

タイトル:マグダラで眠れII(小説:電撃文庫)
作者  :はせくらいすな:支倉凍砂
絵師  :なべしまてつひろ:鍋島テツヒロ
デザイン:?
編集  :?

中世風の世界を舞台とした、錬金術士が主役の物語。
ストーリーはもちろん読み応えがあるのですが、キャラがものすごく味わい深いです。派手さとは対極にあるような内容で、自分の夢に向かって突き進みそのためなら周りを犠牲にすることも厭わない主人公と、特殊な生い立ちから徹底的に迫害され自分の感情を殺して生きることを余儀なくされてきたヒロイン。
どちらもライトノベルの王道路線でよく見かける主人公&ヒロイン像からは大きく外れていますが、そこがまた大きな魅力になっています。

さて2巻ですが、1巻でピンチを脱したと思ったのもつかの間、再び次なる試練が襲います。

具体的な危機の内容については書きませんが……うーん、やはりどこまで行っても決して正義の味方にはなりえない、己の夢の邪魔になるなら脅迫も平気でやるクースラの姿勢がいいですねえ。組合長とのやりとりなんかは、その最たるものと言えます。
その辺のヒーローなら絶対やらない。
一方のフェネシスは、徹底的に自分を抑圧しているタイプでこれまた最近のヒロイン像とは大きく隔たりがあって、かえって新鮮ですね。

どちらも内面の変化について詳細な描写をしているからこそいっそう輝いてます。どうみても若年層ではなく、ある程度高年齢に受けるタイプの作品ですがこのシリーズはしばらく追いかけたいので、長続きしますように。


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