名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

円環のパラダイム

タイトル:円環のパラダイム(小説:一迅社文庫)
作者  :せおつかさ:瀬尾つかさ
絵師  :いちようもか:一葉モカ
デザイン:?
編集  :?

地球は無数の破片(ゾーン)に引きちぎられ、他の世界の破片と結びつき、ゲート・ワールドの一部となった。
そして人類より遙かに強い異星の生命によって人類は激減し、ゲート同士の通行もままならないそんなSFちっくな背景のもと、ずっと旅を続けてきた二人、玖朗と可椰の二人をメインに据えたアクションです。

でっかいスケールはそのままに『クジラのソラ』と比較して、明らかに恋愛まわりの描写が丁寧になっていて、とっつきやすくなりました!

帯に、”『生徒会の生存』をかけた戦い”という煽り文句があって気になっていたんですが、概ねは間違ってないかな?
学校というコミュニティを存続させたままサバイバルに突入した感じ。

一方通行のうえ、扉の大きさも限られた”ゲート”によって、世界同士の移動が大幅に制限されてしまっているそんな世界に興味を覚えたのであれば買ってよしかと。

最初はその設定からてっきりサバイバルものかと思ったんですが、実際にはかなり過酷な環境ではあるものの、異星人との共生を受け入れたことによるバックアップがあって、生徒会周辺は電気水道ガスというインフラが整備されている設定なのでそこまでサバイバルではないですね。(もっとも食料は炊き出しみたいですが)

むしろ、異星人をその身に受け入れることによる共生、共生によって手に入れる特殊能力、《設計者》(デザイナー)と呼ばれる世界の監視者や、《創造者》(クリエイター)と呼ばれるゲート・ワールドの創造者などに1巻にしてかなりつっこんだ言及があったので、作者の作風からしても、壮大なスケールでの描写が予想されます。


作品一覧


トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/4176
from monumenta librorum on 土曜, 2009/12/12 - 20:40

無数の破片として分断されてしまった地球で、異星人と闘う話。設定はSFとしては意外と凝っている。今回は、日常部分は学園物にもなっているが、やはり、そう言う要素を入れないと、...