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オイレンシュピーゲル 2

タイトル:オイレンシュピーゲル 2(小説:スニーカー文庫)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :白亜右月
デザイン:?
編集  :?

1巻より燃え度アップ!
深刻な体の障害を、自分の体のほとんどを機械化することで克服し、その潜在的な特性から特甲児童として治安維持のために強大な武力を携えて戦う物語です。
「マルドゥック・ヴェロシティ」シリーズで確立された、独特のリズムで繰り出される文と重厚なストーリー展開が魅力。

今回、涼月・陽炎・夕霧の三人は話の成り行きから、別々な行動を余儀なくされ、改めてお互いがかけがえのない存在であることを意識することに。
1巻でほぼ基本的な背景設定などが紹介されているため、本文の内容がその分アクションに費やされており、非常に燃える展開になってます。
また、作戦行動中にちらりと見え隠れする形ではありますが、明らかに「スプライト・シュピーゲル」で主役を張るあの三人だと思われる特甲児童も姿を見せるので、今月発売になる「スプライト・シュピーゲル」2巻もできれば押さえておきたいところ。
片方しか読んでないのはちょっともったいないですよ?


この作品の名台詞

異常な事件が起こったからといって、自分まで異常になる筋合いがどこにある? 無力な容疑者の拷問を正しいと思えとでも? ふざけんな――断固たる拒否。
脳裏をよぎる思い――生まれつき手足を開けず、地面に這いつくった幼い自分。
そのとき自分にとって世界は拷問だった。何もかもが四方にそびえ立ち、いつ踏み潰されるか分からないという恐怖をもたらした。心を殺されそうになるほどの恐怖――果てしない怒り。
殴られるのと同じほどの実感――理屈抜きの。あたしは拷問が嫌いだ。そんなのは大嫌いだ。あんな不愉快なもの二度と見せられてたまるか。連中がまたあれをやろうってんなら、そのときは相手が誰であるかに関係なく、ぶっ潰してやる。ユーリーとその仲間たちがへこたれるだけの戦争をあたしが起こしてやる。くそったれ。

→解説


「なめんじゃねえっ! あたしはっ、これしか知らねーんだ! 生まれてから一度もっ、七歳で機械にされたときから、これ以外っ、なんっにも威張れるもんがねーんだ! あんたが戦争の鬼だろうが何だろうが、生まれたときから自由に両手を開けたやつに、このあたしがっ、これで負けるわけねーだろっ!」
「この国は、良い犬を飼っている……。”黒い犬”――生まれついての闘犬だ」
「撃ちやがれ。そんであたしの命が潰せなきゃ、あたしがあんたの手足を潰してやる」

→解説


「涼月は、私たちの大事な仲間だが……
君は、彼女のどこが良いと思う?」
「えっと、沢山あるけど……
女性らしいところかな」

(中略)
「今のは、まさに涼月病患者と呼ばれる奨励者に特有の発言でしたね、夕霧隊員」
「はーい。夕霧隊員はとってもびっくりな重症だと思いました、陽炎先生」
「ふと思い出したが、FUBUKIは、日本語で雪の嵐という意味なんだそうだ」
「あらー。
遭難しやそうですねー」

→解説


『発射された弾丸は、あなたの周囲の人の迷惑となります。引き金を引くときは十分にご注意下さい』

→解説


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from いつも感想中 on 水曜, 2007/06/06 - 16:16

オイレンシュピーゲル 2 (2) 作者: 冲方丁 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2007/05 メディア: 文庫 読んで一言。えげつないけど面白い。 ストーリー(1巻と大きく変えてない) 「機械化...