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マルドゥック・フラグメンツ

タイトル:マルドゥック・フラグメンツ(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :寺田克也
デザイン:?
編集  :?

「マルドゥック・スクランブル」、「マルドゥック・ヴェロシティ」、そして新作のアノニマス。それら三編に連なる短編集。
ウフコック、バロットはもちろん、ボイルドの邂逅など、隙間を埋める物語については発表済みのものですが、新たなるバロットとウフコックたちの活躍を描く「アノニマス」については書き下ろしです。

さすがのおもしろさ。言うことなし。
……なんですが、個人的に衝撃の事実が初出SFマガジン2010年12月号のロングインタビューで明らかに。
「マルドゥック・スクランブル」の完全版は、一からすべて書き直していたそうです。なんということだ! 改めて買うしか!

インタビュー読んでもらうとわかりますが、修正しているよりも書き直した方が早いということで、相当手が入っている様子。ファンならどうも改めて読み直した方がいいみたいですね。

もちろん新作もおもしろかったんですが、まだボイルドがウフコックとタッグを組んでた頃の話が、もう読んでるだけで切ない! この関係が壊れてしまうのかと思うとね……

それと今回、「マルドゥック・スクランブル」の初期原稿となった「事件屋稼業」の冒頭が収録されています。これを読むと、どれくらい冲方丁が”化けた”のかがよくわかります。すばらしい進化を遂げてますね……
逆に言うと、これを見せられたらやっぱり完全版を読まないわけにはいかない気分に(笑)。


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