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鷲見ヶ原うぐいすの論証

タイトル:鷲見ヶ原うぐいすの論証(小説:電撃文庫)
作者  :くずみしき:久住四季
絵師  :カツキ
デザイン:?
編集  :?

作者の人の今までのシリーズ同様、超常的な能力が登場しつつも、そこに一定のルールを設けて、ミステリとして成立するように仕立てているのがポイントです。
が、まあそれはそれとして……ここはラノベサイトですし。

探偵役のうぐいすがやたらとラブリーなんですけどっ!
普段は冴える探偵としてかっこよいんだけれど、時折主人公の譲に見せるツンとデレの配分が絶妙で、これはまず撃沈されますね。

話の引っ張り方が上手いんですよね。
物語の冒頭から「魔術」「悪魔」という言葉をちらつかせているので、密室による不可能犯罪っぽいものが登場していろんな逃げ道が推理によって潰されていくとどうしても「魔術で全部解決なんじゃない?」と疑ってしまうわけです。でも、なかなか魔術は登場しない。
嘘を見破る能力なんて、ミステリじゃ禁じ手中の禁じ手能力にしか思えませんが、そういう要素を上手く処理してそれでもミステリとして進行してるのがいいです。

主人公や探偵役のうぐいすをはじめ、キャラクター的に使い捨てるにはもったいない濃さを持っているので、ぜひとも続編を期待したいところですがさてさて。


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from お亀納豆のライトノベルまっしぐら on 日曜, 2009/11/15 - 23:43

著:久住 四季 イラスト:カツキ
「……うぐいす。その、勘違いだったら遠慮なく僕を殴ってくれていいんだけどさ。お前、もしかして僕のことが━━好きなのか?」
「……き、気付...