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偽りのドラグーン 5

タイトル:偽りのドラグーン 5(小説:電撃文庫)
作者  :みかみえん:三上延
絵師  :椎名優
デザイン:?
編集  :?

ちょーっと駆け足な印象もなくはないですが、まずまず綺麗にまとまったと思います。
シリーズ完結。

ヒロインズについてもいろいろ語りたいけどまずこれだけは言っておきたい。
悪役キャラを全くブレなく描ききったのはすばらしい!
以下、ネタバレあり雑感です。

当初からアダマスは憎まれキャラとして描写されてきたわけですが、この手のキャラってたいてい途中で改心しちゃうんですよね。ですが、アダマスさんは格が違いました。多少の紆余曲折こそあれども、本質的には全く変わらない! みごとなまでの悪ッぷり。それでこそだよ! 途中までは読むたびにイラッと来てたのが、そのうちにこのイラつきが心地よくなってきました(笑)
ヴィクトル(真)も、同じかな。
みごとなまでにねじくれたまんまなのがいいです。人間、そんな簡単には変われませんよね!

ティアナとクリスの関係については、もうちょっとこうせっかくティアナが自分の感情を自覚してここからおもしろくなりそうな勢いだったんで、惜しい気もしますが、これはこれで。竜の人の恋愛禁止というのが根底にあるんで、きれいな幕引き、かなあ。
結婚はクリスとして、でも愛人のごとくティアナがつきそう形になるのだろうか、などと興味は尽きません。

それにしてもジャンは成長しましたね。うむ、最後の方は見事なまでに漢でした。特攻精神でなく、最後まで逆転を諦めない理性に惚れた!

最初にも書いたけど、駆け足だったので「打ち切り」の二文字はどうやってもちらつくわけですが、さすがにベテランだけあって綺麗に着地してそこはなにより。
私の好きな作家さんの一人なので、また新たなシリーズを期待しています!


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