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ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常

タイトル:ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常(小説:メディアワークス文庫)
作者  :みかみえん:三上延
絵師  :こしじまはぐ:越島はぐ
デザイン:?
編集  :?

鎌倉の片隅で営業しているビブリア古書堂。そこの若く美しい女店主・篠川栞子が古書にまつわる様々な謎を解いていくのを、本は嫌いじゃないがいろいろあってまともに読めない体質なのに、バイト店員になった青年・五浦大輔の目を通して語る古書ミステリ。

結末がどちらかというとほろ苦いものが多かったり、店主の栞子さんも内気で優しげな印象に終わらない別の一面も持っていたりと、全体的にビターテイスト。ですが、本好きなら実在の古書にまつわるいろんな裏話を見ているだけでわくわくしてくることでしょう。
メディアワークス文庫だけに、大人向きの作りになってますがおすすめです。

ちなみに、どこか雰囲気が 付喪堂骨董店と似通ったところがあり、こちらのファンの方にもおすすめ。

栞子ととある事件についてすれ違いを起こし、一端はバイトをやめたものの結局出戻りで再びバイトを続ける五浦。そんな彼のもとに、「機械じかけのオレンジ」の読書感想文についてのある相談が持ちかけられる……

古書の薀蓄を見ているだけでもすごく楽しいんですが、やはり栞子さんの一筋縄で行かないいろんな顔にはドキッとさせられますね。ふだんのボソボソしゃべりが一転、古書のこととなると立て板に水のごとく話し出すギャップや、妙に男女の距離感について警戒心が薄かったり、距離が縮まったかと思うと拒絶されたり。
推理される側だけでなく、する側のほうにもドラマが詰まっていていい感じ。やはり三上さんは、揺れ動く感情の機微を描くのが上手いなあと改めて思います。


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from お亀納豆のライトノベルまっしぐら on 日曜, 2012/06/03 - 10:22

著:三上 延 イラスト:越島 はぐ 「読んでいない本の感想を書くのは、著者への侮辱だとわたしは思います。あなたは、本を読むのが好きではなかったんですか?」 2011年10月の新刊。...