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B.A.D. 8 繭墨は髑髏に花を手向けない

タイトル:B.A.D. 8 繭墨は髑髏に花を手向けない(小説:ファミ通文庫)
作者  :あやさとけいし:綾里けいし
絵師  :kona
デザイン:?
編集  :?

ざくっと分類すればダーク・ファンタジー。
ただこの物語最大の特徴は、鬱で救われない内容の連続であることよりもむしろ主人公の小田桐くんのヘタレぶりに尽きます。

いやー、ある意味これはもう感動ですね。
なにしろ全く成長がない。お人好し、というと聞こえがいいんですがこれだけ決断の二文字から縁遠い主人公も珍しい。どこまでこの性格のままで進むのか、すごく楽しみになってます。

ヒルガオを失った雄介は怒り狂い、唐繰舞姫と繭墨あさとに復讐の刃を向けようとする。この復讐劇をやめさせようと小田桐は必死に奔走するが、状況は彼をあざ笑うかのように悪くなっていく……。

はい、ほんといつも通りです。
繭さんはなんでもお見通しですが、何も手を出そうとはしません。
小田桐くんはどうしようもなく覚悟が足りないので、やっぱり誰も殺めることが出来ないまま。
そして雄介の破綻はもはや隠しようがない。

もう、君は成長しなくていいです。その方がらしいから。ほんと、こういうキャラを書けることに感動。


この作品の名台詞

「何度も言うけれどね、小田桐君。ボクは彼女の生死に興味はないよ」
「彼女の望みに、ボクが関与するべき理由もないね。彼女の矜持は、彼女だけのものさ。その結果も、自分自身で負うべきだよ…………そして彼女は負うつもりだ」

「――――――――それでも、君はボクを頼るのかい?」

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