名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 窓の向こうは夏の色

タイトル:ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 窓の向こうは夏の色(小説:コバルト文庫)
作者  :あおきゆうこ:青木祐子
絵師  :あき
デザイン:?
編集  :?

そこのドレスを着ると恋が叶う、と噂される仕立屋『薔薇色』の女主人であり針子である少女・クリスと、大貴族の長男シャーロックの身分違いの恋模様を描いた物語。
クリスに限らず、恋に悩む男女の細かい心情を描き出しているのが特徴です。
今回は短編集なので、シャーロックの過去話とかいろいろ。
クリスの手にはめられた指貫を指輪と勘違いして、動揺しまくるシャーロックさんは本当に打たれ弱いですねえ。

ヴィクトリア王朝期のイギリスを舞台としているために、身分制度というものが深く根を下ろしてます。
だから身分の差によって夢やぶれる恋もかなりあり、そういった女の情念が伝わってくるかのようでその辺がポイント。
コーネリアの母であるドロシアの結婚の経緯なんかは相当すごかったです。なんという愛憎劇。


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