名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

円環少女 5

タイトル:円環少女 5(小説:スニーカー文庫)
作者  :はせさとし:長谷敏司
絵師  :みゆう:深遊
デザイン:?
編集  :?

三千世界の中で唯一魔法が存在せず、この世界の住人に「観測」されると、発動しているいかなる魔法も消去されてしまうという地球。他の世界から「地獄」と蔑まれ、そして恐れられる地球を舞台にした魔法アクションです。
なんといっても魔法関係の設定が圧倒的。文章が独特なので、読みにくさを感じる場合もあるでしょうが、慣れです慣れ。
今回は一段と物語が加速し、とんでもないラストになってしまいました。は、早く次の巻をっ!
ちなみにみどころは山ほどあるのですが、この巻で新たに出てきた魔法体系である「聖痕大系」がなかなか強烈でした。
台詞も強烈だったんですが、やばすぎる台詞なので以下で紹介して我慢します(苦笑

「聖痕大系」ってなにー?とか思うでしょうが、要は魔法使いの感じる痛みを魔法となって発動します。苦痛が大きければ大きいほど魔法レベルも高くなるという……自己治癒可能な魔法使いだからこその魔法と言えます。そんでもってこの魔法を操る深窓のお嬢さま的な外見を持つ、《茨姫》オルガ・ゼーマンの発言の数々がまた強烈。ぜひ名台詞として紹介したい……と思ったのですが、ちと危険すぎるので、こっちで紹介して我慢しておきます。

ちなみに○○○は、蔑むべき地獄の住人とか地獄そのものに対する蔑称というか、異世界人にとっての共通認識だと思ってください。
「かまいませんわ。覚悟がおありなら、ご遠慮なく――わたくしを追い抜いて外へ向かいなさいな」
「けれどウンコだめの世界で、ウンコまみれの運命に首まではまりこむなら、ここで静かにお待ちあれ」

いやこんなものばっかりじゃないですよ? 相変わらず魔法戦闘は燃えますし、メイゼルの嗜虐趣味もちっとも変わらず。圧倒的な個性で繰り出される物語です。


この作品の名台詞

「おまえがそばにいない間も、おまえをどうやって助けてやれるかって、ずいぶん考えたんだけどな。なのに、なんか俺に出せたことなんて、全部がまちがいだったみたいだ」
「あたりまえでしょ。あたしのことの正解なんて、あたしの目を見てお話せずに、一体どこにあるの?」
「そっか。……俺じゃダメか」
「ちがうわ。せんせにとってのあたしの正解は、あたしとせんせが、ふたりで作るの」

→解説


「……あたしなら、せんせの抱えてるつらいこと、全部忘れられるくらい……ひどいことしたげられると思うんだけど! どうかしら?」
「ナニせんせ、その目は? 女の子が勇気を出したのに、失礼だわ!」
「このあたしが、信じられないくらいひどいことしたげるって言ってるのよ? そうしたらせんせは、あたしだけをこわがって、怒って、恨んで、もうあたしのことだけ考えればいいのよ。手が届かないような、かたちもないものをこわがったり怒ったりするなんて、もったいないと思わないの? せんせは、そういう目、ちゃんとあたしに向けるべきだわ!」

→解説


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from 愛があるから辛口批評! on 金曜, 2007/06/08 - 00:59

円環少女 5 (5) 作者: 長谷敏司 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2007/04 メディア: 文庫 「専任係官強し、とおもったらこんな急展開かよ!」 と思った5巻です。  ついに公館が反撃にで...