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円環少女 13 荒れ野の楽園

タイトル:円環少女 13 荒れ野の楽園(小説:スニーカー文庫)
作者  :はせさとし:長谷敏司
絵師  :みゆう:深遊
デザイン:?
編集  :?

すごい、という以外の語る言葉を持ちません。
この巻の物語の充実度はもちろんのこと、シリーズ全体を振り返ってみて赤枠おすすめするしかありませんっ!!!

様々な魔法体系を持つ三千世界の中で、唯一魔法を使えず、しかもその世界が魔法を”観測”することで魔法をすべて打ち消してしまうことから「地獄」と呼ばれ忌み嫌われる地球。そのため魔導師協会からは魔法世界の流刑地としての扱いを受けている。
そんな罪人の一人として地獄に落とされた少女と、魔法消去を使う”悪鬼”武原仁を中心とした、壮大なスケールで送る魔法アクションも、ついに完結です。

■ 非常にSF的でしかもおそろしいほどに練られた魔法体系。そして熱すぎる魔法バトル!
■ ヒロインが嗜虐癖のあるサドロリというありえなさ。
■ おそろしく高度なはずなのに、むちゃくちゃな魔法体系の併存。しりとりで魔力引き出すとか全裸で戦うとか、自分を痛めつけるほど強力な魔法使えるとかどんだけ!
■ かと思うとガチで学生運動の話が延々書かれたりという一面もあったり。

未読な方、今からでも是非読んでみてください!

さて、こっから先は最終巻ですし、ある程度ネタバレで雑感行きます。
ご注意ください。

ではネタバレいきます。

いいっすか?

それじゃ。

いやー、最終巻にふさわしいオールスターぶりでしたね!
クライマックスで超高位魔導師同士の戦いがあることは予想がつきましたが、まさかここまでオールスターバトルの様相を呈することになるとは! イリーズまで出てくるとはね。
そして、こんな最終巻に至っても変態っぽい魔導師が相変わらず出てくるあたりに芯の通った傾きっぷりを感じます。

しかし、再演大系って当初読んでた時点では想像もつかなかった化け物じみた魔法体系でしたね。”最後の魔法使い”とか、どんだけとんでもないスケールだよ! 私も山ほどラノベ読んで来ましたけど、ここまでぶちあげたものにはそうそうお目にかかれません。そう、それもあって川上稔作品との親和性をものすごく感じますね。二つの作品の読者は限りなく近いんじゃないかなあ。スケールが大きく、情報密度がやたらと高く、バトルが熱く、むちゃくちゃシリアスで、死人も遠慮なく出るけど、ぶっ飛んだ変態性も同時に持ってます。

正直言ってこんなアウェイな状況をどうやってひっくり返すのかと思ったけど、やってくれましたよ!
ラストはもう泣きそうでした。

こんなすばらしい物語を送り出してくれた作者の人に最大限の感謝を!


この作品の名台詞

「仁ちゃん。思うんだけどさ、この世界は本当は捨てたもんじゃないんじゃないかな。仁ちゃんがやらなくても、なるようになるときは人はきちんと動く。自分以外の人間もきちんと生きていて、わりとさ、きちんと戦うんだよ」

→解説


「変態はサドと全裸だけでいっぱいいっぱいです、変態はサドと全裸だけでいっぱいいっぱいです、変態はサドと全裸だけでいっぱいいっぱいです」

→解説


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from 愛があるから辛口批評! on 火曜, 2011/03/01 - 21:07

円環少女   (13〓荒れ野の楽園   (角川スニーカー文庫) 作者: 長谷 敏司,深遊 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2011/02/26 メディア: 文庫 クリック: 6...