名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ココロコネクト カコランダム

タイトル:ココロコネクト カコランダム(小説:ファミ通文庫)
作者  :あんださだなつ:庵田定夏
絵師  :白身魚
デザイン:?
編集  :?

「フウセンカズラ」なる謎の存在に目をつけられ、文研部員5人に起こる数々のありえない現象に5人が悪戦苦闘しながらも立ち向かう青春小説。
1巻では人格の入れ替わり現象でしたが、2巻以降も別の現象を設定することで継続して、理不尽な現象が『自分を見つめ直す』きっかけとなるというおもしろい構図になっています。

今回起こるのは、時間退行現象。自分が突然過去の10歳や14歳の自分になってしまったら?
うーん、実に仕掛けが上手いですね。やっぱりおすすめ。

もしも、突然10歳や6歳の自分など過去への退行現象が起こって、しかもそれがきっかけで否応なしに置いてきた過去とも再び向き合うことになってしまったら。
誰しも、自分の過去なんてきれいなことばっかりではなく、二度と思い出したくない記憶や人に知られたくないことだってあります。しかし、この退行によってそれを知られてしまうかもしれない。なによりも、過去を思い出してしまった自分はもう先ほどと同じ自分ではいられない……

これが原因で文研部員の間で、またしても摩擦が発生します。ほんとにこの5人の受難っぷりと来たら! しかし、そんな中でもぶつかり合って絆を深めていくのです。恋愛感情もまたしかり。じわじわ愛を深めてるのがよく伝わってきます。ほんとうにすばらしい青春小説ですね!


この作品の名台詞

「わたしはずっと……、それは……わたしだけでどうにかしなきゃならないことなんだって思ってた……
それにわたしが失敗したことなんだから、尚更わたしだけでってなって……。だけど……今こんな大変な状態で……そんなところにわたしの問題が重なって……それで……だから……」
「伊織ちゃん、もっとシンプルでいいんだよ」
「そうよ伊織。伊織はたった一言、言うだけでいいんだから」

「………………助けて……くれますか」

→解説


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