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人類は衰退しました 2

タイトル:人類は衰退しました 2(小説:ガガガ文庫)
作者  :たなかろみお:田中ロミオ
絵師  :山崎透
デザイン:?
編集  :?

タイトルのごとく、人類がゆるやかに衰退していき、今では地球の我が物顔で闊歩するのは”妖精さん”。
主人公のわたしは、国家公務員の”調停官”として人と妖精さんの仲を取り持つのが仕事……なんですが、うーんとまあ要するに。
太平お気楽で何考えてるかそれとも何も考えてないのか妖精さんとの癒し系コミュニケーションです。
この作品の特徴としては、基本的にゆるーい癒し系なのんびり感を漂わせつつも、時にシュールな展開をさりげなく放り込んであることでしょう。
ハムスター滅亡寸前とか、なにげにメスがいなくてもう滅亡確定とか、さらりと流れていくけれどただの癒し系にはこんな設定はあまり出てきませんからね。
ともあれ妖精さんワールドを心ゆくまでお楽しみください。

この独特のシュールな世界は2巻でも健在。
冒頭、疑似?妖精さん視点で話が進むんですが、これが単純にサイズが小さくなっただけでなく、思考能力とかものの見え方まで変化しているのがおもしろいです。
わたしが、さぼる気満々なのも何げにいいですね。
この感覚も「人類衰退」というテーマに絡んでいるのかもしれません。
まあ実際にはそんな重いテーマを読んでいて感じる事はまずないと思うので、お好み次第でややこしい解釈も可能、っていう程度です。


この作品の名台詞

「いやー、わたし、ハムスターさんたちのことバカにしてました」
「わかってくれればいいっす」
「しかし、よく電球なんて作れましたね……齧歯類風情が」
「い、今、差別的なニュアンスを感じたっすけど!?」
「ああ、すみません。風情のわかる齧歯類さんですね、の間違いでした」
「なんだ、そうだったんですか。いやあ、それほどでも」
でも、
「……これを開発したのは、我々の一族でももっとも賢いハムスターっす。けど……」
「け、けど?」
「フクロウにおいしく食べられて死んだっす」
「おいしくいただかれちゃいましたか……」
完全にロストテクノロジーになっていました。電球。

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from ktr の不定記というか何というか on 木曜, 2008/01/17 - 20:50

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