名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

さよならピアノソナタ〈4〉

タイトル:さよならピアノソナタ〈4〉(小説:電撃文庫)
作者  :すぎいひかる:杉井光
絵師  :うえだりょう:植田亮
デザイン:?
編集  :?

恋と音楽と革命をテーマにした珠玉の青春ストーリーも、ついに完結。
すばらしい終幕でした。
赤枠おすすめさせてもらいます。未読の方はぜひ4巻一気読みを!

天才としての名を欲しいままにしながら、心因性の麻痺でピアノが弾けなくなってしまった少女・蛯沢真冬と、音楽批評家を父に持ち、聴くことに関しては膨大な知識量を持つ少年・直巳の、人気のないゴミ捨て場で運命の出会いをした二人を中心にして、恋とロックバンドとクラシックが一体不可分の要素となって物語を形作っていきます。
クラシックや洋楽に素養があるとより一層物語を楽しめますが、クラシックも洋楽も知識ゼロ、音符ひとつまともに読めない私でも感動できたので、それは物語の深みではあっても、ハードルの高さとはなっていません。
白状すると、4巻読んでるときに不覚にも涙腺に来ました。
最終的に直巳と真冬の恋の行方はどうなったのか?
それは言うが野暮というもんでしょう。じっくりみなさんの目でお確かめを。
にしても、直巳は果報者ですねえ……あの中性的でいて、時にはどこまでの女性という恐ろしい魅力を兼ね備えたを持った響子先輩はもちろん、千晶も、そしてユーリにまで愛されているとは! きっと広大なネットの海のどこかでは、ユーリ×直巳のSSもあるんじゃないでしょうか!(もしあったらぜひご一報ください)

むー、これは一度どうあっても元ネタとなった音楽を聴いてみなければ。自らへの宿題にしておこう。とにかく、最上級の青春ストーリーをありがとうございました!


この作品の名台詞

「だれを好きになるのかを自分で選べたら、この世の幸せと不幸の九割は消えてしまうよ。恋なんて、だれもしなくなる」

→解説


「壊れてもいい。
だってっ、直巳のためだから」
「ぼく……の?」
「ピアノだって、ギターだって、直巳のために弾くの。同じステージにいられないなら、こんな手は壊れてるのと同じ。響子と千晶が、あなたと一緒に演っているのに、わたしだけそこにいないなんて、ぜったいにいや」

→解説


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