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アクマ・オージ

タイトル:アクマ・オージ(小説:スーパーダッシュ文庫)
作者  :おかざきひろのぶ:岡崎裕信
絵師  :成瀬裕司
デザイン:?
編集  :?

非常に独特な文体で紡がれる学園ストーリー&ラブコメ。
自らを『悪魔』であると、ことあるごとに言う少年・相馬逢司は、過去の事件から6人を殺した男と恐れ……られてはおらず、少なくとも学園では逢司を嫌う人間はいません。なぜなら、彼が自らを犠牲にしてても人のためにとことん尽くす人間であることを誰もが知っているからです……。
文体の問題でやや人を選ぶだろうと思われますが、良質な学園青春ストーリーでした。おすすめ。

同作者の前作『滅びのマヤウェル』『フレイアになりたい』では、いずれも楽しい日常シーンと油断していると突如暗黒時空に引きずり込まれる鬱展開があり、今回はちょっと警戒しつつ(笑)読んだのですが、結論から言うとかなりソフトになりました。各キャラクターの過去などやっぱり重い部分はありますが、これくらいなら落ち着いて読めると思われます。……そもそも文体が独特なので、どうあっても人は選びそうですが。

悪魔だと言い張るオージの心はどこまでも優しく、周りの人がどんどん影響されていくのもわかります。無自覚にフラグを立てていく罪作りな男です。
なお、なぜ逢司が悪魔だと言っているのかは後々の展開で出てきます。

この物語における独特な空気感については、ちょっと説明が難しいので可能であれば店頭で数ページ立ち読みしてみてください。私の場合は本編の最初の1ページで完全に敗北しました。なんだこりゃ!(褒め言葉)みたいな。


この作品の名台詞

「ひ、姫様はなぜ暴れているのでありますか。自分にはわからないであります」
「フッ、青いなフェルナンデス。乙女心の半分は独占欲でできているのだよ」

→解説


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from 愛があるから辛口批評! on 土曜, 2008/10/11 - 19:51

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