名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

さよならピアノソナタ

タイトル:さよならピアノソナタ(小説:電撃文庫)
作者  :すぎいひかる:杉井光
絵師  :うえだりょう:植田亮
デザイン:?
編集  :?

恋と音楽と、そしてちょっぴり革命。
これはいい青春小説です。特に音楽をかじったことある人は必見。強くおすすめ。

ピアノの天才と騒がれながら、なぜか一流の音楽とは無縁の高校に転校してきた少女・真冬と、もっぱら音楽は聴くことを専門にしていたナオとのボーイミーツガール。

音楽評論家を父に持ち、自身もっぱらガラクタいじりを趣味とするナオはゴミの不法投棄が大量にされている穴場?で、捨てられたピアノを弾く少女と出会う。
そして、その不思議な少女との、意外な形での再会。
そして話は巡り巡った挙げ句、なぜかピアノを弾かずギターばかり弾いている彼女をバンドに引き入れるための勝負へと……。
すいません、物語についてはおもいきりはしょってますが、とにかく「これぞ青春だ!」とは断言します。
音楽知識があるとより楽しめますが、私みたいな音楽知識ゼロの人間でもそれはそれとして楽しめるのでご安心を。
銀盤カレイドスコープで、何をやっているのかよくわからなくてもすごさは伝わってくる……そんな感じでしょうか。
うーん、これはぜひ名台詞で魅力を伝えていきたいですね。


この作品の名台詞

「なんであんなことしたんですか?」
「一口には言えない。なにか起きると思ったんだ。そして、それはたぶん少年にとっても蛯沢真冬にとっても、悪いことじゃないだろう、と。もちろん、なんにもならない可能性だってあったよ。でも大勢人を集めて喇叭(ラッパ)を吹くだけが革命じゃない。人間がなにかを為そうと思ったら必ず、実らないかもしれない種を荒野に蒔くことから始めるんだ」
詩心のないぼくにはこう聞こえた。なにか面白いことが起きそうだからきっかけを作ってみた、と。だから、一片も感謝はしないことにした。

→解説


いろんなことがどうでもよく思えた。ぼくは失敗したんだ。みんな勘違いだった。真冬はぼくになら、なにか伝えてくれると思っていた。でも実際には、ぼくらの間にはあの部屋のドアよりもずっとずっと分厚い壁があって、声も届いていなかった。音楽の力はなんて偉大なんだろう、と思う。あんなに離れていたのに、楽譜通りに弾くだけで、すぐそばにいるように錯覚できてしまった。なんてすごい力なんだろう。消えてしまえ。

→解説


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from monumenta librorum on 日曜, 2007/11/25 - 00:48

ピアノの天才のはずなのに、エレキギターばかり弾いている転校生の少女と、主人公の少年が出会ってという話。学園物だが、音楽物だった。エレキギターが出てくるが、ロックという...

from ちょいヲタ?バスタア日記 on 火曜, 2007/11/13 - 00:13

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ピアノと表紙に惹かれて購入。

「ば...