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おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!

タイトル:おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!(小説:富士見ファンタジア文庫)
作者  :むらかみりん:村上凛
絵師  :あなぽん
デザイン:?
編集  :?

地味な隠れオタクとギャルっぽい女子が、お互い が好きな子とうまく行くように、共闘関係を結び指導しあう青春コメディ。

主人公が必死にオタクであることを隠そうとしたり、リア充になろうと「間違った方法で」おしゃれに気を使ったりする様子があまりにも現実味に溢れ、人によっては涙なしには読めないかもしれません。
しかし、そんな内容ではあっても楽しく読めます。おすすめ。

この作品のうまいところは、主人公のオタク趣味や服装センスなどの残念ぶりを影でフルボッコにしないで(いえ、そういうシーンもあるにはあるんですけどね?)、ヒロインの少女に直接斬って捨てさせているところ。正面からばっさりいくことで、陰湿さがなくなって、楽しく読めるという寸法です。

中学の黒歴史を捨て去り、高校では隠れオタクとしてデビューし、普通に学園生活を送り、素敵な彼女を作りリア充を満喫しようとしていた少年・柏田直輝。しかし一目惚れの少女には声一つかけられないままでいたある日、クラスのギャルな女子・恋ヶ崎桃にオタクばれの危機が!
が。
とある事情で、恋ヶ崎がオタクになるのを手伝う代わりに、自分がリア充になる手伝いをしてもらうという共闘関係になるのだが……。

恋ヶ崎さん、まじ容赦ないです。
オタク趣味について次から次にばっさばっさと切り捨て。しかし、なんだかんだ言いつつも勉強はするし、最初読み始めた時は自己中でどうしようもないと思っていた彼女の印象は1巻読み終える頃には180度変わっていることでしょう。いい子じゃん!

キャラ的にはややキツめの性格なんだけど、テンプレなツンデレとは違うところもいいですね!

まあ私なんかはそもそもオタク趣味に本格的に目覚めたのは大学以降だし、特に趣味を隠さないといけないような学校でもなかったのであまりダメージは受けませんが、リアルにオタク趣味を隠さないといけなかった人にとってはいちいち読んでる途中で心に刺さるかもしれません。なんていうか、がんばれ。


この作品の名台詞

「生まれつきイケメンに生まれなかったからしょうがない!? アンタバカァ!?」
「確かに元からの出来の良し悪しもあるけど、ほとんどの人間はちゃんと努力してお金かけてお洒落して自分磨いてんでしょーが! それを、なーんの努力もしないで『元からイケメンに生まれなかったから仕方がない』だあ!? オタクってみんなそう卑屈なわけ!? ムカつく、ほんとムカつく!」
「なんで自分は可愛い子が好きなくせに、自分の容姿には無頓着なの? それでなんで好かれると思ってんの!?」

→解説


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from お亀納豆のライトノベルまっしぐら on 木曜, 2011/11/17 - 20:03

著:村上 凛 イラスト:あなぽん 「あーもう!あんたって、なんかほんっとダサくて、ヘタレで、オタクで、だめだめで……」 「ほっとけない」 ファンタジア文庫2011年7月の新刊。約...