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エア彼氏やエア彼女と会話できてしまうエアリアル能力者の恋愛模様を描いたお話もこれにて完結。

中村九郎作品で、きっちり完結まで読める日が来るとは……ああなんて素晴らしい！

私は中村九郎作品の信者であると常日頃から公言してますが、冷静に第三者視点から見るとどれも相当に人を選ぶ作品ばかりなのは確かです。とはいえこのシリーズは今までの作品の中では、一番読みやすいのは確実。

多分に詩的な表現を第一としてそこから組み立てられたのでは？と思えるような展開、感動的なラスト、これらは他の作者では味わうことの出来ない独特の雰囲気を持っていて、この度はきれいに完結したことだし、ぜひみなさまにもチャレンジしてもらいところ。

……まあその、「合う」かどうかの保証は出来ないんですが。

過去仲良くしていた女の子・杏子と会えなくなったり、大好きなバスケを続けられなくなったことがきっかけでエア彼女が見えるようになっていた少年・木村カント。
そんな彼は、ついにリアル杏子との再会を果たすのですが……なんと現実を拒否してエア彼女に逃避していた影響からか、リアル彼女の姿がどうやっても見えない！
せっかくの再会も困惑ばかりで、新たな苦悩がはじまるのです。

相変わらず、どこかお約束を外して来る独特のノリですがやっぱりラストが実に絵になるんですよねえ……。これがあるから中村九郎ファンはやめられません。

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