名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

オトナリサンライク

タイトル:オトナリサンライク(小説:ファミ通文庫)
作者  :たけおかはづき:竹岡葉月
絵師  :八重樫南
デザイン:?
編集  :?

おもしろかった!!

連続窃盗犯の主犯として捕まり、「更正プログラムによる奉仕活動」として、海辺の街サウスノックにやってきた少年キーチ。
実は彼が派遣された『善き隣人にまつわる相談センター』は、人間と共生している妖精が起こすトラブルを専門に解決するところで……。
やたら人間くさい妖精達、そしてそれ以上に曲者ぞろいのセンターの相談員を相手に悪戦苦闘の日々。
ちょっとしょっぱい現実とも時に向き合い、回りに助けられつつもたくましく成長する少年の物語です。妖精たちがまたなんつーか、渋い!

前作でもそうでしたが、この作者さんは決して甘くはない日常を描きつつも、それでも悪いことばっかりじゃないし、そんな現実は笑い飛ばせ!という精神が根底に流れているように思います。
キーチのおかれた境遇や、これまでに受けた仕打ちも決して軽いものではなく、それゆえにキーチは人を信じられなくなっているんですが、センターの個性的な面々はそんなキーチの歪みをも呑み込んでまっすぐに方向を修正してしまうくらいにパワフル。
笑えるだけの話じゃないんですが、でもきっと読むと元気が出ると思います。


この作品の名台詞

「悔しいなら、悲しいなら、きみはそれ以上に幸せになる権利がある。ねえわかる? それが世の常おぼしめしってやつにゃ」

→解説


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