名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

SH@PPLE 1

タイトル:SH@PPLE 1(小説:富士見ファンタジア文庫)
作者  :たけおかはづき:竹岡葉月
絵師  :よう太
デザイン:?
編集  :?

見た目だけでは萌え系のように思えますが……
女性にも読んでほしい、正統派の男女入れ替わり学園ものです!

双子で、片や進学校の優等生で特に目立たない少年の雪国、片やお嬢さま学校で生徒会長を務める少女の舞姫。お互いの思惑が一致して入れ替わりを実行したその日から、波乱の毎日がスタート!
正統派なラブコメであり百合な要素もあり、きちんと青春していて、ぜいたくな作品ですええ。おすすめ。

まず装丁から非常に楽しめる部分がいっぱい。
なんか帯がやけに大きいなーと思いませんでした? それはお約束のイラスト遊び……だけじゃないのです。裏のあらすじ紹介も二通りあるのです(笑)

さて、本編では一目惚れしたあの娘に会うために双子の舞姫との入れ替わりを承諾したものの、女子校という異空間にタジタジな雪国少年と、生徒会活動に疲労を感じて休息のために入れ替わったはずがそこは元が女の子ゆえ妙な吸引力を発揮してしまい学校をかき回す舞姫。
双子両方の視点からストーリーが進行していくので、女の子同士(いや中身は違うんですけどね?)の友情あるいは百合イベント、そして彷徨う恋心など盛り上がる部分がてんこ盛り。女装と男装という特殊な要素がかかわってはいますが、一部の人の妄想魂を超えたおもしろさがこの作品にはあります。
これはいい!


この作品の名台詞

ぽとり。雪国の手にボタンが落ちる。
もともと開きやすかったらしい彼女のブラウスは、それであっというまに隙間を広げた。
(――深い)
深遠すぎる谷間だ。
菱形にあいた、彼女のブラウスの合わせ。広いところでも、隙間は幅四センチほどだ。しかし、今さっき思い切り揉んで触って押し上げてしまった胸の谷間が、あまりに、あまりに無視できぬ深さで峡谷を作っている。
いったい何センチあるんだ。あの奥にはなにが? 全体像はどうなる? だめだ。考えるな雪国。感じるんだ。いやそれはもっとだめだ。

→解説


「――お前の気持ちは、わかる。淡谷雪国。俺たちはもてない。思いはたいてい通じない。自分を好きになってくれる人間なんていやしない。だが俺は、あえてお前に恥をさらしてもらうつもりだ」
「どうして!」
「それでも近づきたかったのがお前だからだ!
俺たちはな、何百の色恋沙汰を端で見てきた。見て、たまに口出しするだけだ。だがお前は違うだろ。見ているだけじゃ止まらなかった。お前の気持ちを無にするな!!」

→解説


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