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幕末魔法士―Mage Revolution

タイトル:幕末魔法士―Mage Revolution(小説:電撃文庫)
作者  :たなべそうじ:田名部宗司
絵師  :くらもとかや:椋本夏夜
デザイン:?
編集  :?

第16回電撃小説大賞<大賞>受賞作。

さすがの大賞。萌えに一切頼らず純粋の物語の魅力でここまでおもしろいとは! 当然のように赤枠おすすめで。

中身は攘夷派による開明派の誅殺が吹き荒れる幕末の世を舞台に、魔法士と呼ばれる者達が力を持っているという設定の幕末ファンタジー。

時は幕末。
大阪適塾で学び、若くして才ある蘭学者、そして魔法士でもある久世伊織は、松江藩からの要請により、魔導書の翻訳へと赴く。
松江藩で見せられたのは、ミスリル銀の錬成炉の作成方法が記された書物。一ヶ月の予定で当地に逗留中、攘夷派の襲撃、シーボルトの孫である剣客・朱本冬馬との邂逅なども交えつつ、翻訳をすすめるうち、ミスリル銀に関わる一連の事件の黒幕の暗躍が露わになっていく……。

魔法士という設定がなかったら十分時代小説として通用するくらいの作りになってます。
文章に関しては不安材料なし。
女っ気は「ほぼ」ないも同然ですが(ああ、表現が難しい……)、読んでてそれはほとんど気にならなかったですね。それだけ物語の出来がよかったんでしょう。
幕末独特の雰囲気が、読んでいて非常によく出ています。
伊織の中性的な風貌が映えるし、魔法士の設定は必要以上に物語の前面には出てこないので、テンポよく物語が展開します。
伊織は決して無敵の存在というわけではなく、割と窮地に陥ることも多いんですが、そこが逆に読む方のドキドキ感を倍増させますね。ほんと、読んでてひやひやしっぱなし。
伊織と冬馬のコンビは実にいいですね。

イラストは大好きな椋本夏夜なのでもはや何も言うことはなし。相変わらず最高。


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from 西由記の書評図書館―人間実験2 on 水曜, 2010/02/10 - 19:03

幕末魔法士―Mage Revolution (電撃文庫)posted with amazlet at 10.02.10田名部 宗司 アスキーメディアワークス 売り上げランキング: 44おすすめ度の平均: 明治維新を成し遂げたのが、魔法士(MAGE)だっ