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夜魔―奇

タイトル:夜魔―奇(小説:電撃文庫)
作者  :こうだがくと:甲田学人
絵師  :三日月かける
デザイン:?
編集  :?

傑作ホラー『夜魔』の文庫落ち。
この人の作風として、ホラーはホラーでも精神的にじわじわ消耗させられるというより『痛さ』を想像させるのが非常に上手いです。

で、甲田学人初挑戦、または最近読者になった人の疑問である

「Missing」読んでないとダメなの?
いいえ、そんなことは全くありません。
時系列としてMissingの前日譚に当たりますが、とある二人のキャラが共通して登場するだけで、それもオムニバスの短編にちょこちょこ顔を出す程度なので、何一つ問題になることはないです。安心して初挑戦してください。

なお、今回の『夜魔-奇-』は後書きでも言及されているように、ハードカバー版の原作に書き下ろし作品を加えた結果、分冊で文庫化されることになってます。あとの半分はMW文庫で。

両者ともに一篇ずつ書き下ろしがあるので、ファンは押さえましょう。
以下は詳しい収録内容について。

・『罪科釣人奇譚』(とがつりびときたん)
・『魂蟲奇譚』(こんちゅうきたん)
・『薄刃奇譚』(はくじんきたん)
・『現魔女奇譚』(ゆめまじょきたん)

以上が単行本からの再録。以下の一篇が書き下ろしです。
・『桜下奇譚』(おうかきたん)
幼い頃、桜の花びらによって友人が神隠しにあう話。
詠子さん出ます。幻想性の方が強いので怖さは控えめ。いやまあそれでも怖い人には怖いと思いますが。

こちらのセレクションは幻想性の強いものとのことだったので、怖い話は少なめですが『薄刃奇譚』はやばいかも。甲田学人の書く、異物が生える話は割と洒落にならない怖さです。ぎちぎちぎち……


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