名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

お隣の魔法使い 不思議は二人の使い魔

タイトル:お隣の魔法使い 不思議は二人の使い魔(小説:GA文庫)
作者  :しのさきさみ:篠崎砂美
絵師  :尾谷おさむ
デザイン:?
編集  :?

うちで紹介する作品の多くは、偏り度が高いものになる傾向がありますが……
このシリーズは「物語」を愛するすべての方におすすめします。それこそ小学生からお年寄りまで。
読んでいるうちに、ホッっとしたり和んだり出来るお話で、ぜひともあわてずのんびりと読んでください。

メアリーと、お隣の謎の青年ツクツクさんが繰り広げるちょっとだけ不思議な日常です。

ある日突然隣に越してきて、「どうもおかしい。お隣さんは魔法使いに違いない!」と怪しんだことがきっかけでメアリーはお隣に入り浸るようになり、その度にちょっと不思議な日常に出会うのです。
大事件は起きません。人死にところかバトルとも無縁。
2巻だと、知り合いの送ってきた変な中身の缶詰を開けまくって(アルプスの空気とか、花吹雪とかそんなものが入ってる)、今度はお返しにこっちからも変な中身の缶詰を送り返してみたり、ホタル狩りに行くのに着物を着るのに大奮闘してみたり。(舞台はどうやらイギリスみたいなんで、当然メアリーは着物には縁がないのです)
それどころか明確にツクツクさんが魔法を使う場面は一度もない、というのがこれまたポイント。
全編優しさに満ちてます。ああほんとにすばらしい。


この作品の名台詞

意を決すると、あたしは布団をはねのけた。
「あっ……」
一瞬にしてあたしは固まった。
ぬくぬくさん、さようなら……。
「さぶい……」
寒いのよー。
あわてて掛け布団ごと毛布をマントのようにひっ被る。
ぬくぬくよ。生き返れー。生き返れー。生き返れー。
呪文のように繰り返すと、ほんのちょっぴりだけぬくぬくが戻ってきた。

→解説


「湯気が世界をつつみ込んで、何もかもが渾然一体となったようですね」
空を見上げながらツクツクさんが言った。
上を見上げても、湯気でぼんやりと青空が見えるだけなんだけれど。あの遠くに見える白いもやもやは湯気なのかしら。それとも雲なのかしら。

→解説


「あの日記って、鍵がついてなかったように見えたんだけど」
「あたりまえじゃないか。女の子が持つ日記を開ける鍵なんて、最初からないに決まっているさ」
あたしの疑問に、露天商のおじさんが自信たっぷりに答えた。
「それじゃ、欠陥品じゃない」
「人聞きが悪い。乙女の日記ときたら、鍵を持った人はそのうち現われると決まっているんだよ。常識さね」

→解説


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