名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

まおゆう魔王勇者 5あの丘の向こうに 特装版

タイトル:まおゆう魔王勇者 5あの丘の向こうに 特装版(小説:エンターブレイン)
作者  :とうのままれ:橙乃ままれ
絵師  :toi8
デザイン:?
編集  :?

まおゆうもこれにて本編は完結。(外伝がまだ出るそうですが……)

開門都市の包囲戦。
遠征軍の補給線を断ち切るゲリラ戦術。
勇者と魔王は別行動をとり、メイド姉は独自の行動を取り始める。
そして同盟と遠征軍はついに決戦の時を迎える!?

いやあ……とうとう終わってしまいましたね。
物語の着地点としてはそれほど突飛なものではなく、ある程度予想の範疇でしたが、あの泥沼化しそうな戦況をよくぞ綺麗にたたんでくれた!という感じ。
まおゆうのおもしろさは、直接的な戦闘の部分よりは知略にあると思ってます。絶望的な戦力差をひっくり返して勝つ、ではなく元から勝ちではなく、どうにか双方が納得できるレベルでの講和を目指しているところ。
さらに敵国にダメージを与えるのに、相場の人為的な介入といった搦め手の多用。
簡潔に言えば、経済という要素を重視して、その上で古今東西からある魔王と勇者の物語を再解釈してみたらこうなりました、とでも言いましょうか。いろんな要素が凝縮されていてたいへんごちそうさまでした!

会話文だけ、という特殊な記述ももはやすっかり慣れっこですね。
まあ、欲を言えば地の文ありでの物語も読んでみたいところです。仰々しい台詞回しも好きでした。


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