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東雲侑子は短編小説をあいしている

タイトル:東雲侑子は短編小説をあいしている(小説:ファミ通文庫)
作者  :もりはしびんご:森橋ビンゴ
絵師  :Nardack
デザイン:?
編集  :?

うああああああああ……なんという甘酸っぱさともどかしさ。
読んでるうちにのたうちまわりたくなる青春小説。

自分のような青春時代はとうに過ぎ去った人間でも、あのすばらしい日をもう一度、とか思っちゃいますね……いやそんな記憶はただの捏造なんだけど。ともあれ、赤枠おすすめです!

森橋ビンゴ4年ぶりの新作ですが、期待を裏切らない出来でした。

無気力、無関心でつまらない毎日を過ごす高校生・三並英太。図書委員を選んだのも、単に活動時間が短く部活に入らなくて済むからという無気力ぶり。しかしそんな英太が、自分と似た空気を感じる図書委員の少女・東雲侑子の抱える秘密を偶然にも知ってしまったことがきっかけで、東雲から思わぬ提案をされる……。

最初は、各章のはじめに載ってる短編の意味がわからなかったんですが、徐々に「なるほどそういうことか」と確信が出てきます。
さてそうなると、読者としてはお互いの気持ちがある程度見えるから、もどかしさが半端じゃない! でもこれはじつに心地よいもどかしさですね。

なにごとにも無関心だったはずの英太が徐々に変わっていく様子や、東雲の変化の描写がじつに巧みで自然と引き込まれてしまいました。読後感もよかったし、あーいいもの読めた!


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from お亀納豆のライトノベルまっしぐら on 水曜, 2012/01/11 - 22:19

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