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僕の妹は漢字が読める

タイトル:僕の妹は漢字が読める(小説:HJ文庫)
作者  :かじいたかし
絵師  :皆村春樹
デザイン:?
編集  :?

第5回ノベルジャパン大賞<銀賞>受賞作。

HJ文庫の公式サイトで、ためし読みが可能なんですが、その時点で相当に強烈な個性を発揮しまくっているため話題沸騰。争奪戦が始まっていて、買えない人が出てきそうですが、増刷が既にかかっているそうなので、予約しておきましょう。

さて、あえて具体的な内容に一切触れずにさらっと流しました。以降、具体的な内容を紹介していきますが、サプライズが好きな方はぐっと我慢しましょう。それでは……

23世紀の日本。日常で漢字は全く使われなくなり、文化の中心は萌えとなり、総理大臣も二次元となり、「正統派文学」も今とは全く異なるものになっている。
そんな日本で、文学作家を志す少年イモセ・ギンは、知り合いの紹介で正統派文学の巨匠であるオオダイラ先生のもとを、妹のクロハとともに訪問するが……。

設定がかなりぶっとんでいるうえ、正統派文学の内容が強烈。
漢字の読める妹が、むしろ変わり者みたいな扱いになっていたり、すごい未来です。
さて、正直これ以上説明しなくても手を出すべき人は出す、と思いますがこの作品が単なるパロディに終わらない仕掛けがもう一段あります。

具体的には書きませんが、SFです。
いやー、やってくれますねえ!
正統派文学と、(我々の世界での)文学作品の対比が、いちいちおかしくてしょうがない。
これはぜひいろんな分野の人に読ませて、その反応をみてみたいものです(笑)

あと、極端な作風にばかり目がいきがちですが、これ正統派文学の部分を別にしたら、かなり読みやすいんで、そこも忘れちゃいけない部分ですね。
今から続きが楽しみです。早く出るといいなあ。


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