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理想の彼女のつくりかた 第1稿

タイトル:理想の彼女のつくりかた 第1稿(小説:電撃文庫)
作者  :たかむらとおる:高村透
絵師  :秋野すばる
デザイン:?
編集  :?

すごい美少女とラブコメしたい!という妄想の物語が現実化した!?

という上の設定だけ見ると「なんだ、ありがちじゃん」と思うかもしれません。
いやいやちょっと待った!
会話におけるボケツッコミがすごいんです。
会話のテンポが心地よい、という意味なら化物語あたりを筆頭にバカテスなど既存の作品でいろいろ楽しむことができますが、これはそういうのとはまたちょっと違いまして……。
全然キャッチボールが成立してないのに、それでも勢いよく怒濤のように会話が流れていくという独特な会話劇。

会話に癖があるため、駄目な人には全然受け付けられないと思いますが個人的にはおすすめ。最初は戸惑ったけど、だんだんこのノリが心地よくなってきました。

かつて陸上で頂点を目指し、怪我により挫折した主人公・真崎直人。彼は空想の世界へと逃げることを覚え、いろいろな設定を作りだし、隣の空き地に一軒家が建って美少女が引っ越して来ることを妄想したところ、それが現実化してしまうことに。
しかもその妄想から生まれた彼女・川瀬紗耶香は、彼の設定通りに書き換わっていく。

上でも書きましたが、この時点では定番だったはずのストーリーが、紗耶香その他、登場するほぼすべてのキャラのぶっとんだ会話によってかくも見事に打ち壊されていきます。Aと言ったらBと返す、みたいなセオリーは一切通用しません。比喩ですらないってどうよ!と最初は思うんですが、いつの間にか慣れるどころか楽しくなってくるから怖いですね!


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from お亀納豆のライトノベルまっしぐら on 土曜, 2010/12/18 - 20:34

著:高村 透 イラスト:秋野 すばる 「ポン酢飲みたいの?」 「えっと……飲みたくはない、かな?」 「いいえ、あなたはポン酢を飲みます」 約4ヶ月1週間の積み。電撃文庫。電撃大...