名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

ロウきゅーぶ!

タイトル:ロウきゅーぶ!(小説:電撃文庫)
作者  :あおやまさぐ:蒼山サグ
絵師  :てぃんくる
デザイン:?
編集  :?

スポ根大好きな私にとっては「籠球」などという単語が入った時点で読むしかねーぜ!って感じだったのですが……

なるほど、これは上手いスポ根です。あざとく(褒め言葉)、そして今の御時世をものともせず(笑)、ロリという選択肢で攻めてくるとは!
なるほど、コーチね。
そして、ロリという単語は一種の釣りのようなもので中身はしっかり「燃え」られるストーリーです。
スポ根という自分補正も入っているんで、赤枠でおすすめです。

スポーツ特待で高校に入りバスケ部に入部した矢先に、部長のロリコン疑惑でバスケ部は一年間の活動謹慎に。
いきなり自分の依って立つ場所を壊されてしまい、腐る主人公・長谷川昴。
そんな昴の前に、教師をしているミホ姉が現れて言うことには「小学校の女子バスケ部のコーチを一週間してほしい」。
この間ロリコン絡みで、非道い目にあったばかりなのに!?

わだかまりもあって、最初は固辞していたコーチですが、やっぱり心底バスケが好きという共通意識を持っているので、やがてそれで通じ合って……
付け焼き刃で、正攻法はもちろん、あらゆるうさんくさい手も使ってチームを勝利へと導く、素敵な、それでいて非常に読みやすいスポ根です。
相手が小学生で、そもそも割とゆるめな描写も多く、割とみんなになじみがあるバスケという題材で、しかもプレイする少女達自体がバスケに詳しくないために、ややこしいルール描写などが一切ないので読んでてつっかえたり戸惑ったりすることがまずありません。

ああ、そうそう。
挿絵でいきなりメイド服なんで「これはなにごとだ!?」と思ったんですが、あれは釣りですから! でも上手いと思ったけどな!
ただ、挿絵でのけぞって回避したガチな読者層がいるならば、ぜひ買いましょう!と言っておきます。


この作品の名台詞

「………………やめんな」
「……えっ?」
「もう、冷めたつもりでいた。バスケに未練なんて、これっぽっちも無いって。そう自分に言い聞かせてた。けど、てんでダメだった。とてもじゃないけど無理だった!
無理なんだ、智花。俺は、君を、見過ごせない」
「……すばる、さん?」
「お願いだ。辞めないでくれ、バスケ。ダメだ智花。君は、バスケを辞めちゃダメな人間だ。バスケだ出来る場所が一つしか無いのなら、君はそれを手放しちゃダメだ」

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from monumenta librorum on 日曜, 2009/03/15 - 11:10

電撃小説大賞の銀賞受賞作。高校生の少年が女子小学生のミニバスケを指導することになる話。内容は非常にオーソドックスなスポ根である。ただし、表紙などは全く、そうは見えないの...