名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

さよならピアノソナタ 2

タイトル:さよならピアノソナタ 2(小説:電撃文庫)
作者  :すぎいひかる:杉井光
絵師  :うえだりょう:植田亮
デザイン:?
編集  :?

恋と音楽、特に音楽の部分が非常に魅力的かつ力強く書かれた青春小説。
天才ピアニスト少女と騒がれながら、心因性の障害で右手が自由に動かせずピアノ界から姿を消していた少女・蛯沢真冬。
人を寄せ付けない孤独なオーラを持つ彼女を、強引に引っ張り込んだ民族音楽研究部の面々を描きます。青春小説好きと、音楽好きな方には強くおすすめ。

とにかく日常から音楽に接していないとわからないような音楽知識の奔流が襲ってきます。むろん、知識があった方がより楽しめるのは間違いないですが私のようにクラシックも洋楽も聞かず、楽譜ひとつ読めないような人間でも中断する間も惜しんで一気に読み切ったくらいなので、問題なし。
固い殻をかぶりナオにしか最初心を許していなかった真冬が、徐々に音楽部の面々にも心を開いていく様子が、ああもうすごくいい!
そして神楽坂先輩。行動力と人脈が無駄にある「革命好き」な先輩なんですが……やられました。先輩、あれは反則です。
というわけで例によってほとんど説明してないも同然ですが、恋と音楽を存分に堪能してみてください。


この作品の名台詞

「千晶は、つらく、ない?
響子と、一緒にいて。だって、千晶も、わたしと同じって」
「つらくないよ。一緒にいられない方が、よっぽどつらいよ」

→解説


「ほんとは、こんなものは要らない。私の勝利はだれかの喪失の上に築かれるべきじゃない。でも、しかたない。私も革命家で音楽家であると同時に、ただの恋する女だ」

→解説


シリーズ一覧


作品一覧


トラックバック

http://maijar.jp/?q=trackback/2429