藤堂家はカミガカリ
作者 :たかとおひょうすけ:高遠豹介
絵師 :油谷秀和
デザイン:?
編集 :?
絵師直営サイト:なし
特記事項なし
第14回電撃小説大賞<銀賞>受賞作。
ツボに入って不覚にもちょっとウルッとしかけてしまいました。
文章にリズム感があって、読み進めるのが気持ちいい作品です。
別世界「ハテシナ」から使命を帯びてやってきて、半ば強引に護衛役として藤堂家に入りこんだ建代神一郎と天霧美琴の二人がメインの物語。日本神話っぽい設定を使いながらも、敷居の高さが全くない軽快で心の温まるストーリーをお楽しみください。黒枠でのおすすめです。
まずとにかく文章のテンポが良く、読みにくさがないのですいすい先に進めます。適度なアクションあり、ちょいとひねったジョークや人を食った展開もあれば、藤堂家の双子の姉の春菜との思わずニヤリとするラブ寄せ的な部分もあり、かと思うとベタ甘なだけではなく、ほろ苦い一幕も顔を見せるから油断は禁物。
全体的に楽しく読みながら、最後の展開には思わず泣き笑い。
いい作品を読ませてもらいました!
2巻ありますよね! 絶対読ませてもらいますっ!
この作品の名台詞
「あ」
「どうした?」
「ダジャレ考えた。『ミョルニルに妙に似る』。どう?」
「十三点」
「ひゃー。厳しいねえ」
「お前ら……神聖なるミョミュミュルでダジャレなど……」
「噛んだ――っ!」
「別に、私はいいんです。奇蹟みたいに助かった周慈が、これからもこのまま元気でいてくれれば、それで」
『もっとあるだろ? お前くらいの歳の女の子だったらさ。すげえ高いブランドの服が着たいとか、色んなトコ行って遊びたいとか、そういう普通のさ、自分のために何かするっていう……』
「走りたい」
「走りたい走りたい走りたい走りたい。……これで、いいですか?
もし生まれた時からこうだったなら、こんな思いはしてなかったかもしれません。でも、私は知ってるんです。自分の足で歩く感覚を。地面を蹴る感触を。だから余計に……願っちゃうんです」
「絶対に叶わない願いは夢とは言いません。寝言って言うんです」
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