黄昏色の詠使い2 奏でる少女の道行きは
作者 :さざねけい:細音啓
絵師 :竹岡美穂
デザイン:?
編集 :?
召喚ファンタジーにして、少年少女が自分の行くべき道を探す青春ストーリーでもあります。
作品やキャラクター全体、挿絵から溢れてくる「優しさ」が心地よい作品。おすすめ。
世界を5色の色に大別して、それぞれの持つ名前を詠うことで召喚を果たす名詠式。そんな中、今は亡き母親の意思を次いで5色いずれにも属さない「黒」色の召喚術である夜色名詠式に挑む13歳の少年・ネイトと、彼の周りでがんばる少年少女の物語……なんですが、2巻についてはネイト君は脇役です(笑)
2巻の主役は、ちょっと名詠式を学ぶにはわけありらしい少女・エイダ。
エイダが大きな壁にぶつかり、くじけて立ち止まり、やがて自らの手で答えを見つけて再び歩き出します。
うーん、繰り返しになりますがとにかくいろいろなキャラクターの紡ぎ出す台詞や情景の描写が優しいんですよね。なんか読んでて素直な気持ちになれるというか。
この作品の名台詞
「うん。ごめん、もう平気だから」
「嘘。ばればれなんだって」
「――え」
「あんたに作り笑いは似合わないって言ったでしょ。もっとメリハリつけなさい。はしゃぐのは元気ある時でいいから、辛いときには、友達(わたし)に頼ってよ?」
「…………」
「それとも、わたしじゃダメ?」
「……なに言ってんの。そんなことない……すごく、嬉しい」
なんか、キミってふしぎ。
手のかかる弟に思えることも、落ち込みがちな友人のように思えることもある。けど、普通の学友のはずが――なんだか放っておけない、とても大切な人に思えることもある。
わたしには、まだ分からない。
「わたしたちの関係って、何なんだろうね」
ねえ、キミ自身は、どう思う?
「え、か、関係って? えっと……クラスメイト?」
悩みに悩んだ挙げ句、大まじめに答えてくる彼。
うん、今は、きっとそうなんだよね。だけど――
「でもね、もしかしたら、これから変わっていくかもしれないよ?」
……ネイト?
「クルーエルさんは、自分を信じられないような人じゃないです。だってクルーエルさんは、それをこんなにも怖がってるんだから」
唐突に、前触れなく――
「……な、なに?」
彼は、両手でわたしの手をそっと握ってきた。
「あ、あのさ、ネイト?」
「だから、きっと平気です。僕、クルーエルさんの名詠なら、どんなものだって怖くないです。名詠が怖いのなら、僕も一緒にいますから」
ち、違うの。手……いきなり何を――
「おまじないです」
シリーズ一覧
『黄昏色の詠使い 3 アマデウスの詩謳え敗者の王』
『黄昏色の詠使い 4 踊る世界、イヴの調律』
『黄昏色の詠使い V 全ての歌を夢見る子供たち』
『黄昏色の詠使いVI そしてシャオの福音来たり』
『黄昏色の詠使いVII 新約の扉、汝ミクヴァの洗礼よ』
『黄昏色の詠使いVIII 百億の星にリリスは祈り』
『黄昏色の詠使いX 夜明け色の詠使い』
作品一覧
『黄昏色の詠使い 3 アマデウスの詩謳え敗者の王』
『黄昏色の詠使い 4 踊る世界、イヴの調律』
『黄昏色の詠使い V 全ての歌を夢見る子供たち』
『黄昏色の詠使いVI そしてシャオの福音来たり』
『黄昏色の詠使いVII 新約の扉、汝ミクヴァの洗礼よ』
『黄昏色の詠使いVIII 百億の星にリリスは祈り』
『黄昏色の詠使いX 夜明け色の詠使い』
『氷結鏡界のエデン 楽園幻想』
『銀の河のガーディアン2』
『氷結鏡界のエデン6 水晶世界』
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奏でる少女の道行きは 作者: 細音啓 出版社/メーカー: 富士見書房 発売日: 2007/05 メディア: 文庫 ストーリー 召喚術・名詠式を学ぶ学園、トレミア・アカデミーでの兢演会でヒドラが暴れ...
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