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伝奇ものには程よいエロスも必要、なのかどうかはわかりませんがちょいエロ成分（ただし後ろ暗さのない健康的なもの）も装備した退魔もの。
舞台そのものは京都なんですが、時代は現代なのに加え和風伝奇を読む際に感じることがある文体での敷居の高さがないのでそういう点では安心して楽しめます。
少女に憑いた強力な鬼切りが魔物を退治し、幼馴染みや友人がそれをサポートしていきます。
退魔ものとしては極めてオーソドックスで、展開などはわりと普通なんですが、脇を固める部分が楽しめると一気に作品の評価があがります。

まず今回は修学旅行で京都に行った先で魔物と対決という図式になっていて、京都の各所を駆け回ることになるんですが、わざわざ詳細なＭＡＰを掲載していることからも想像つくかもしれませんが、ほぼ現実に即してます。京都在住の方や、京都観光をしたことのある方なら気がつきますが、かなり丁寧にお寺や町並みの描写がされていて、この本片手にツアーが組めるくらいです。お店の名前も多少変えてあるだけで、すべて実在するとのこと。行かずして修学旅行気分になれますよ～。
あと、体を借りて魔物退治をした後はすごくお腹が空くという設定になっていて、とにかく作中食べるシーンがかなり多いんですが、これがまた実においしそうに食べているのが伝わってきて食をそそられます。
ついつい脇の部分に目が行ってしまってますが、本編もきっちり楽しめる退魔アクションになってます。作者が著名なゲームデザイナーなこともあってか、ＲＰＧ遊んでる人間なら高い確率で満足できるんじゃないでしょうか。

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