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天鏡のアルデラミン―ねじ巻き精霊戦記

タイトル:天鏡のアルデラミン―ねじ巻き精霊戦記(小説:電撃文庫)
作者  :うの:宇野朴人
絵師  :さんば挿
デザイン:?
編集  :?

ノーマークだったんですが、とんだ伏兵でした。
ややファンタジー要素のある戦記もので、アウトローで性格のひん曲がった主人公が魅力ですよ!!

一見怠け者、しかしその実態は並外れた天才、その上ひねくれ者で年増好き、ああもうなんて愛すべき主人公。
好みがどストライク! 赤枠おすすめ。

キオカ共和国と戦争中のカトヴァーナ帝国の帝立高等学校を卒業する少年・イクタはいろいろな意味で札付き。一見怠け者で、女好き、そして一言多い性格だが実は天才と呼べるだけの知略を持っていた。
とある事情から、受かる気もない高等士官試験を受験したイクタは、とあるトラブルが起こったことで、怠け者としての人生設定を狂わされ、軍人として生きることを余儀なくされる……。

まずは物語。
序盤でいきなりアクシデントで目を惹き、あとは一気でした。宗教や貴族、そういった諸々に縛られて国家として衰退の一途をたどる帝国をどうやって再生するのか。その解決策とは。これは、既存のラノベではまずお目にかかれないおもしろい切り口です。ぜひ最後まで読みたい!
ファンタジー要素が入ってはいますが、基本は戦記もの。いかにして逆境をひっくり返すのかに注目です。

あとはなんといってもイクタのキャラがいいですね。
主に知略に偏った最強系主人公と解釈してもいいかもしれません。性格がねじくれてる上に、女好きとはいっても嗜好が特殊なのでラブコメ時空に入らないのもおもしろい。
ではラブコメ時空に入らないから女っ気がないかというとそんなことはなく、帝国ではサラブレッドな血筋のヤトリと分かり合っていたり(ここで安易に恋愛方面に動かないあたりがもうね!)、姫殿下とのなんとも言えない微妙な距離感など、この先どのように動いていくのかが楽しみです。


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