特異領域の特異点―真理へ迫る七秒間
作者 :はんのしゅうせい:範乃秋晴
絵師 :saitom
デザイン:?
編集 :?
絵師直営サイト:なし
特記事項なし
こ、これはきたああああああああ!!
個人的な趣味ど真ん中。これはもうためらいなく赤枠おすすめです。
SFマインドてんこもり。
そもそもの出発点からして、50億人もの人類が犠牲になった科学実験により、特異点理論が実証されたとか、スケールが超でかいです。
特異点に関する理論は物語の根幹をなす重要な設定ですが、なかなかにやっかいで、正直な話読み終えた今でもきちんと理解できているとは言いがたいですが、緻密に構成されていて、設定スキーの心をくすぐります。
主人公が実にいいキャラで、物語にぐいぐい引き込まれてしまい気がついたら一冊読み終えていました。科学バカで自信家、暴走体質。恋愛ごとには疎いが、人からそれを指摘されればちゃんと反省して自分なりに行動を修正できる、そこそこ青臭いが、それだけでもない性格が魅力の人物。いやー、なんかちょっと新鮮かも。
科学では観測できない特異点。人の脳でのみ知覚できる特異点を、脳に機械を埋め込んで能力を増強することで精緻に認識し、特異領域を制御することを可能とする。この特異点は物理法則の影響を受けない、つまり物理法則は書き換えられる……いいですねー、ワクワクしません?
特異点領域の制御さえできれば、あらゆる夢がかなうようになった世界。世界の中心は日本となり、最先端の特異点制御理論を学ぶことができるのは世界国家第一大学である。そこの大学の学生で、自称天才で、しかし教授と喧嘩して現在無期停学中の一ノ瀬賢悟は、今の世界を作った五人の科学者の1人・天川理璃からSOSのメッセージを受け取り、どう考えてもきな臭い裏があるにもかかわらず、友人も巻き込んで彼女の捜索に向かうのだが……。
とにかく世界観が魅力ですが、主人公はもちろんのこと、彩世といい天川といいキャラがテンプレの枠にはおさまらないいいキャラをしてます。ええもう、名台詞収集の魂が騒いでますよ! ラストの展開からぜーんぶひっくるめて愛してます!
きちんと1巻でまとまってますが、これで終わらすには惜しい世界観とキャラなので、ぜひ続刊を期待したいところ。
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