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15人×24時間の青春群像劇。
学校も、考え方も違う15人の若者たちが、様々な思惑で行動し、てんでバラバラに動いていた事象がやがて一点に収束していきます。
都内をあちこち駆け回る、その疾走感は半端ない！

ネット心中しようとしている少年・徳永準の計画は、ささいなことがきっかけになって決行前に発覚。
計画を知った、彼の知り合い達はさらに各自が知り合いと連絡をとり、有志によっ＜捜索隊＞が結成され、彼の自殺をなんとしても阻止しようとするのですが……

ただ自殺を止めるだけの単純な事件が、いろんな他の出来事と複雑に絡みあって、どんどん状況は錯綜し、予想もできなかった方向へと転がっていくことになるのです。

群像劇ならではの、『とある出来事の裏で何が起こっているのか？』が逐一伝わってきて、読者を盛り上げてくれます。特に都内の地理にある程度通じていると、この疾走感は際だってくることでしょう。誰がどう動いているかの軌跡を追うのがこんなに楽しいとは！

＜捜索隊＞に参加しているメンバーは一枚岩ではないので、自殺を本気で止める気がなかったり、逆に自殺を幇助するかのような行動をこっそり取ったり。知り合いの知り合いをたどって出来たメンツで、しかも携帯でのやりとりばかりで顔は知らないまま行動していることも多く、すれ違いや人に言わない秘密事もたくさん抱え、黙っていたばっかりに状況がさらにこじれていく様も見物。まさに全編クライマックスと言っても過言ではありません。
車椅子の少女や、現在妊娠中の少女などこういう大立ち回りには不向きに思えるキャラをあえて登場させているところがまた物語のアクセントをつけてますね。

なお、あとがきによればまだ話は続くそうですが、ちゃんと最後まで出てくれますように。

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