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東京ヴァンパイア・ファイナンス

タイトル:東京ヴァンパイア・ファイナンス(小説:電撃文庫)
作者  :しんどうじゅんじょう:真藤順丈
絵師  :ささきしょうねん:佐々木少年
デザイン:?
編集  :?

とんでもないくせ球ですが、おもしろかった!
街の裏側で、様々な事情で身動きが取れなくなった面々に訪れる急転直下の運命を描く、群像劇です。
登場人物がはなっから『萌え』を投げ捨てた漢らしい仕様になってますが、老人、OLと縁遠いやばめな職業の女、女に貢ぎまくって人生投げかかってる男など、一筋縄ではいかない魅力を備えたキャラがいっぱいです!

タイトルと表紙の印象に偽りなし。そのイメージで買ってしまってok!

様々な事情でお金に困っている人間のもとにあらわれて、無審査超低金利で貸し付ける謎の090金融の女。いったい何が目的なのか!?
様々な人間の異なる事情は基本的には別々のまま動いていき、ほんの少しだけ重なるというのが逆に新鮮でした。そうでありながら、一体感はかなりのもの。ヴァンパイア・ファイナンスという名称自体も、実は大きな意味を持ってます。
その場のノリで突進し、金は貸すけどその相手の事情にも首を突っ込む万城小夜の存在感は強烈。金歯は……とんでもねえ、と思ったけどすばらしいトレードマークだな、うん。

絵師さんの選択は絶妙だったというべきでしょう。この人か、広江礼威くらいしか考えられません。


この作品の名台詞

「ぬはっ、はっ、ぬは、ぬはははははははははははははははははははッ、おまえら都市の怪物どもはぐるぐる溶けて混ざってバターになれ。ひしめきあってぶつかりあって、もっともっと無限に殖えろ!」

→解説


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from monumenta librorum on 金曜, 2009/03/20 - 20:35

電撃小説大賞の銀賞受賞作。真夜中に出没して、超低金利で貸金業を営む主人公など、変なキャラクターばかり登場する話。それなりに色々と考えられてはいて、読みやすい。ただ、話の...