夜は短し歩けよ乙女
作者 :もりみとみひこ:森見登美彦
絵師 :?
デザイン:?
編集 :?
読もう読もうと思いつつ、入手に手間取りすっかり読むのが遅くなってしまいやっとこさ読了。
ライトノベル読みにはかぎりなく親和性の高い一般小説です。読んでいる間中、終始顔面周りの筋肉がゆるみっぱなしでした(笑)。
大学の同じクラブの後輩に一目惚れして、少しでもお近づきになろうと街角のあちこちで「偶然」遭遇を試みる先輩と、飄々とマイペースであちこちに首を突っ込んで歩く後輩。そのすれ違いっぷりには涙さえ誘います。果たして先輩は後輩とお近づきになれるのか?
外堀を埋めてばかりでちっとも本丸に突撃できない先輩に涙しつつ、先輩と後輩、それに二人の周りの人々のちょっとおかしな日常を描いた作品です。
ハードカバーなんでそれなりにお高いわけですが、3ラノベ(1ラノベは500円と計算してください)支払うだけの価値はあります。
開始1ページにしてもう作品世界にぐいっと惹き込まれますね。
いきなり「おともだちパンチ」をご存じであろうか。ですから!
そこから先はもう、一文一文がおもしろくてしょうがなかったです。出てくる人々や属する団体なども妙なおかしみのあるものばかりです。
ごく普通の世界の中に「偽電気ブラン」なるお酒、閨房調査団青年部なる謎のサークル、学祭に出没する韋駄天コタツなどなどへんてこりんな存在がなんの違和感もなく溶け込んでいるのです。
こういった設定なので、ライトノベル読みも特に構えることなく気楽に読むことができることは保証します。たまにはハードカバーも読んでみませう。
なむなむ!
この作品の名台詞
「よろしいですか。女たるもの、のべつまくなし鉄拳をふるってはいけません。けれどもこの広い世の中、聖人君子などはほんの一握り、残るは腐れ外道かド阿呆か、それでなければ腐れ外道でありかつド阿呆です。ですから、ふるいたくない鉄拳を敢えてふるわねばならぬ時もある。そんなときは私の教えたおともだちパンチをお使いなさい。固く握った拳には愛がないけれども、おともだちパンチには愛がある。愛に満ちたおともだちパンチを駆使して優雅に世を渡ってこそ、美しく調和のある人生が開けるのです」
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