名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

過去ログ

12/02/18 - の記事

本日の名台詞

「ねぇ、玖流君」
「何だ?」
「もしも大切な人と他人のどちらかしか助けられない状況に遭ったとしたら、あなたはどちらを取る?」
「どちらを取る?」
「大切な人だ」
「もしも大切な人と他人十人のどちらかしか助けられない状況に遭ったとしたら、あなたはどちらを取る?」
「大切な人だ」
「もしも大切な人と他人一万人のどちらかしか助けられない状況に遭ったとしたら、あなたはどちらを取る?」
「大切な人だ」
「もしも大切な人と大切な人のどちらかしか助けられない状況に遭ったとしたら、あなたはどちらを取る?」
「より大切な人のほうだ」
「もしも同じくらい大切な人のどちらかしか助けられない状況に遭ったとしたら、あなたはどちらを取る?」

「……どちらかを選ぶさ」


タイトル:カミオロシ 2(小説:電撃文庫)
作者  :おどうあきひこ:御堂彰彦
絵師  :さらちよみ
デザイン:?
編集  :?
キャラ :− (378 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

ホラーです。
ただ、もうひとつ幼馴染みとの関係性という部分でも個人的には注目してます。

それでは台詞解説。
さて、一見ありがちな台詞ですがこれ実際の場面で読むと相当な破壊力があります。「選ぶ」という行為について真正面から描写してるんですよねこれ。

カミオロシ 2

タイトル:カミオロシ 2(小説:電撃文庫)
作者  :おどうあきひこ:御堂彰彦
絵師  :さらちよみ
デザイン:?
編集  :?

ラノベでは貴重なホラーです。

神を現世に降ろし、常ならば人間の身には過ぎた願いを実現する……それが物語の重要な鍵になってます。
完全にホラーそのものでありながら、あえて主人公の玖流にはとことんまでオカルトを否定する方向で、対してヒロインの美古都にはオカルトを肯定させるという対立構造を作っているのがおもしろいところ。