名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

東京創元社

12/07/03 - の記事

星を撃ち落とす (ミステリ・フロンティア)

タイトル:星を撃ち落とす (ミステリ・フロンティア)(小説:東京創元社)
作者  :ともぎりなつ:友桐夏
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

日常ミステリ、学園ミステリ、どちらも作品の表現として間違ってはいませんが、全容とは言えない。これはそんな作品です。
ミステリの手法を持ち込んだ少女小説が最も近い、でしょうか。
しかしその説明さえ、実際読んでみるとちょっと違います。
作者は「友桐夏」と言えば、伝わる人には伝わるでしょう。
オンリーワンな、この雰囲気をぜひとも味わってください! 黒枠おすすめしますよー。

07/01/13 - の記事

赤朽葉家の伝説

タイトル:赤朽葉家の伝説(小説:東京創元社)
作者  :さくらばかずき:桜庭一樹
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

今の桜庭一樹は、何書いても傑作になる、そんな気がしました。

千里眼を持った祖母・万葉と、波乱に満ちた一生を送った母・毛鞠、そして特にこれといった取り柄を持たない平凡なわたし・瞳子。鳥取の旧家・赤朽葉家の三代に渡る女の物語と、その眼を通じて製鉄によって栄えた赤朽葉家の変遷、そして戦後から現在に至る世の中の移り変わりを見事で筆致で描写しています。
ちょっとした文章表現などが実に心地よく、あわてずじっくりと読ませてもらいました。東京創元社からハードカバーで出ていることからも、もはや「ライトノベル」という範疇にはない作品であるのは明らかですが、あまり堅苦しく考えず「大人のための少女小説」「大人なんだけど心は少女」が読みたい方にはおすすめです。値段分だけの勝ちはあると思います。