名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

赤朽葉家の伝説

タイトル:赤朽葉家の伝説(小説:東京創元社)
作者  :さくらばかずき:桜庭一樹
絵師  :?
デザイン:?
編集  :?

今の桜庭一樹は、何書いても傑作になる、そんな気がしました。

千里眼を持った祖母・万葉と、波乱に満ちた一生を送った母・毛鞠、そして特にこれといった取り柄を持たない平凡なわたし・瞳子。鳥取の旧家・赤朽葉家の三代に渡る女の物語と、その眼を通じて製鉄によって栄えた赤朽葉家の変遷、そして戦後から現在に至る世の中の移り変わりを見事で筆致で描写しています。
ちょっとした文章表現などが実に心地よく、あわてずじっくりと読ませてもらいました。東京創元社からハードカバーで出ていることからも、もはや「ライトノベル」という範疇にはない作品であるのは明らかですが、あまり堅苦しく考えず「大人のための少女小説」「大人なんだけど心は少女」が読みたい方にはおすすめです。値段分だけの勝ちはあると思います。


この作品の名台詞

「言わせておけばいいさ。おじさん、わたしたちがあの子を好きだったら、それでいい。人の噂は、七十五日だ。だけど、好きは、永遠なのサ」

→解説


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from monumenta librorum on 日曜, 2007/12/02 - 20:52

鳥取を舞台にしたミステリーと言うことになっている。実際、日本推理作家協会賞を受賞しているが、ミステリーなのかというと、最後の方で、ほんの少しだけ、謎解きがあるだけで、...