名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

本日の名台詞

「あなたは他人が傷つくことに耐えられない人だ。すべてを自分でしょい込んでしまおうとする、たとえそれが、自分のせいでなくてもね。
それは他人が傷つくのを見るより、自分が傷ついて痛みをこらえるほうが楽だからだ、あなたは自分の血を流しながら、楽なほうへと逃げ続けているんだ。
あなたは臆病ものだ、しかし、強い。だがあらゆる人の傷をひきうけられるほど強くはないし、そんなことのできる人間はどこにもいない。もしできると考えているならあなたは単なるばか者か、救いようのない傲慢か、その両方かのいずれかだ。
もっとわがままになりなさい、リーベルセンさん。あなたはもっと、あなたのことを考えてやるべきだ」


タイトル:ゴールドベルグ変奏曲 HJ文庫(小説:HJ文庫)
作者  :ごだいゆう:五代ゆう
絵師  :鈴木理華
デザイン:森山忍
編集  :?
キャラ :普賢 (69 P)



 ▼本日の作品&台詞解説▼

五代ゆうさんがデビュー作直前(19歳のころ!)に書いていた作品を、あえて最低限の直ししかせず、当時のままの感性でのお蔵出しとなった作品です。
<幻奏>能力(歌を歌うと共にその眼前に様々な幻を呼び出す能力)の描写などは目に映るようですし、ボーイミーツガール……にはちょっと歳が微妙ですが、一つの恋の物語としても実にいいものでした。

さて台詞解説。
優しすぎるくらいに優しい心を持っているために、それに押しつぶされそうになっているオルガに一括をしたという場面。愛です愛。