名台詞を通してはじめる読書もある。ライトノベルを中心に、作品の長所を追いかけて紹介していくサイトです。
 

過去ログ

11/05/17 - の記事

マルドゥック・フラグメンツ

タイトル:マルドゥック・フラグメンツ(小説:ハヤカワ文庫JA)
作者  :うぶかたとう:冲方丁
絵師  :寺田克也
デザイン:?
編集  :?

「マルドゥック・スクランブル」、「マルドゥック・ヴェロシティ」、そして新作のアノニマス。それら三編に連なる短編集。
ウフコック、バロットはもちろん、ボイルドの邂逅など、隙間を埋める物語については発表済みのものですが、新たなるバロットとウフコックたちの活躍を描く「アノニマス」については書き下ろしです。

さすがのおもしろさ。言うことなし。
……なんですが、個人的に衝撃の事実が初出SFマガジン2010年12月号のロングインタビューで明らかに。
「マルドゥック・スクランブル」の完全版は、一からすべて書き直していたそうです。なんということだ! 改めて買うしか!

魔法の材料ございます3 ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚

タイトル:魔法の材料ございます3 ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚(小説:GA文庫)
作者  :あおいあずま:葵東
絵師  :つるぎはがね:蔓木鋼音
デザイン:?
編集  :?

1巻のぐうたらな英雄の孫シャルトが一念発起して、嫌々ながらも働くという構図から、完全に市民を守るための英雄として自覚的に”敵”と戦う話にシフトしてきました。

このシリーズで特徴的なのは、この世界の魔法使いを束ねる魔法連盟とシャルトの対立。ファンタジー的な世界観の話で、こうまで露骨に組織として主人公を排除に動いて、徹底して協力しない描写ってなかなか見ませんね。ストレートな英雄譚に飽き足らない人にはぜひともおすすめしたいシリーズです。